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コトタさんの教えて!春秋戦国 第5回

なた「前回は4人の王を立て続けに紹介していきました」

コトタ「ほとんど中身がなかった気もしますがね……」

なた「それは言わないお約束……」

コトタ「でも今回の王はそれなりに書くことがあるんですよね?」

なた「ですね。

   早速本編へ行きましょう」

コトタ「お願いします」

 

暴君

なた「夷王の後を継いだのが息子の姫胡で、

   匆Δ噺討个譴泙后

コトタ「サブタイトルからどんな王かわかっちゃうんですが……」

なた「これまでほとんど書いてませんけど、

   周は周辺の異民族と何度となく戦ってましてね。

   それによって周王室の懐事情が苦しくなっていたのです」

コトタ「ふむふむ」

なた「そんな状況で諸侯や貴族が私有地を増やしていくので、

   さらに周王室の儲けが減ってしまったのです。

   当然そうなれば周王室の権威も落ちていきますよね」

コトタ「ええ、お金は大事です」

なた「匆Δ聾威の強化を測る為、土地も財産も全て独占したのです。

   当たり前ですが諸侯らは周から離れていきました」

コトタ「周公旦がお空で嘆いてそうですね……」

なた「で、匆Δただの欲ボケした王ってだけならよかったのですが、

   自分で大軍を率いて異民族征伐を行くような王でして」

コトタ「勝ってるんですか?」

なた「勝ったとも負けたともありますね。

   ちなみに匆Δ武力制圧も辞さないタイプだった為、

   楚の熊渠は匆Δ魘欧譴堂号を廃止しています」

コトタ「ええ……」

なた「匆Δあからさまな暴君として君臨したことで、

   民衆も匆Δ鯣稟修兄呂瓩泙后

   召公虎(召公奭の子孫)が諌めるものの話を聞かず、

   むしろ自身を批判する者たちを監視させ、

   従わない者は皆処刑していったのです」

コトタ「匆Ψい!!!」

なた「あ、懐かしい反応ですね。

   えーっと、遂には民衆ですら批判することがなくなり、

   匆Δ禄侯や民衆をさらに厳しく取り締まります。

   ここで匆Δ半じ虎の会話を見てみましょう」

 

匆Α崗じは以前に俺を諌めたが、見てみるがいい。

   もう誰も俺を批判することはない」

召公虎「王はただ民衆の口を塞いだだけです。

    民衆の口を塞ぐのは、川を塞き止めるも同じ。

    いずれ決壊して周りを傷つけます。

    民衆に口があるのは、地に山川や財産があるのと同じです。

    民衆に口があるから政治の善悪がわかるのです。

    民衆は口から発した言葉があって、何かを成し遂げるのです。

    いつまで口を塞げると思っているのですか?」

匆Α屬修鵑覆海斑里襪!!」

 

コトタ「いやいや……」

なた「従っていた諸侯ですら誰も入朝することがなくなり、

   臣下も国政に口出ししなくなりました」

コトタ「周も終わりが近づいてますね……」

なた「まだまだ終わらないんですがね。

   匆Δ即位して37年目に事件が起こります」

コトタ「何が起きたんです?」

なた「国人による蜂起です」

コトタ「国人?」

なた「都城や邑内に暮らす(所領を持たない)特権階級の人達ことです。

   要するに諸侯や卿大夫の一族やらですね。

   それ以外、つまり城外に住う者は野人と呼ばれていました」

コトタ「つまり、比較的裕福な人達が蜂起した?」

なた「そういうことになります。

   蜂起は凄まじかったようでしてね。

   匆Δ賄圓ら逃げ出し、太子の姫静は召公虎に匿われます。

   しかし、国人の怒りは収まらず、召公虎の屋敷を包囲したのでした」

コトタ「トップクラスの大臣の屋敷まで脅かされるということは、

    都はぐっちゃぐちゃだったんですね」

なた「ええ。

   召公虎は太子を守る為に自らの息子を差し出しました。

   召公虎の息子は国人達によって殺されます」

コトタ「可哀想に……。

    匆Δいなくなって周はどうなるんです?」

なた「では次のサブタイトルいきましょうか」

 

共和時代

なた「紀元前841年、共和元年が始まりました」

コトタ「いきなり紀年が出てきた!?」

なた「この年から中国史は有史時代や信史時代と呼ばれるようになってまして、

   歴史的に意義がある年なんです。

   これまでは先史時代と呼ばれ、史料が不十分だった為、

   正確にいつの出来事なのかってのもわかりませんでしたが、

   ここからは文字で時間の記録がある為、紀年がわかるようになってます」

コトタ「確かにこれまでは王の即位から何年といった言い方だけでしたものね。

    逆算すればだいたい何年かはわかりますが……」

なた「逆算すればわかるはわかりますが、

   それが正しいかを証明する記録がないのです」

コトタ「なるほど……」

なた「で、本題の共和についてですが」

コトタ「王が不在だから共和制政治に移行した?」

なた「召公虎と周定公が2人で政治を代行した為に共和と呼ぶ説、

   共国の伯爵の和が政治を代行した為に共和と呼ぶ説があるようです。

   いずれにせよ、王が不在で合議制の政治が行われたことから

   "共和"の語源となっています」

コトタ「2つの説がある……?

    有史時代に入ったのにどっちかわからないんですか?」

なた「まあ"いつ"が記録されるようになっただけですからね。

   他の企画でも史料によって記述が違うってのはあったでしょう。

   内容は史書の編纂者次第ですし」

コトタ「あ、確かに」

なた「特にどっちの説でも問題ない記録しかないので、

   3人とも政権を担っていたぐらいの認識でいい気もします」

コトタ「なるほど」

なた「では今回はここまでとして、続きは次回にしましょう」

コトタ「はーい!

    それでは次回をお楽しみに!!」

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