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コトタさんの教えて!中国史 武将編 第1回 司馬遷

なた「記念すべき第1回ですが、主役は司馬遷さんです」

コトタ「中国の最初の正史である"史記"の著者ですね」

なた「仰る通りです。

   史記は三国志同様に紀伝体で書かれた歴史書でしてね」

コトタ「皇帝や王などの天下を統べる天子について記述した本"紀"、

    歴史を彩った人物達について記述した列"伝"があるから紀伝体でしたね」

なた「ええ。

   他にも諸侯について記述した"世家"や資料集や年表である"書"や"表"も史記には含まれています」

コトタ「ほほう」

なた「そして紀伝体の反対語?としては編年体というものがあります。

   歴史の年表を詳しく書いたようなものです」

コトタ「このブログだと"教えて!封神演義"や"教えて!項羽と劉邦"が編年体で、

    "教えて!三国志 無双武将編"や"教えて!三国志 マイナー武将編"が紀伝体ですね」

なた「その通り!

   で、今回の企画も紀伝体形式となります。

   ちなみにコトタさん、史記の列伝の最初の人物ってご存知ですか?」

コトタ「"教えて!封神演義"の終盤に登場してたはずです。

    えっと……伯夷と叔斉でしたっけ?」

なた「ですです。

   伯夷と叔斉は"教えて!封神演義"でも少し語ったように義人でしたが、

   最終的に餓死しております」

コトタ「でしたね……」

なた「司馬遷はそんな彼らを列伝の最初に載せることで、

   "天道是か非か"が史記のテーマであると伝えているんです」

コトタ「"天道是か非か"?」

なた「"天は良い人には幸せを与え、悪い人には罰を与えるってのは常識だよなぁ?

    でも伯夷や叔斉みたいな義人が餓死してるのはどういうことだぁ?

    本当に天は正しいんかぁ?"ってことです」

コトタ「なるほど」

なた「司馬遷自身が結構辛い人生送っていましてね。

   それを史記のテーマにするには十分過ぎる理由があったのです」

コトタ「辛い人生……!」

なた「しかし、この企画のテーマは"天道是か非か"ではありませんが、

   紀伝体の史記を書き上げた偉大なる先輩歴史ブロガー司馬遷を第1回に持ってきたのは、

   "司馬遷みたいに色んな人物を紹介するぞ!"って想いがあるからなのです」

コトタ「あ、そう繋げたかったんですね」

なた「はい!!!

   さて、オープニングトークはこれぐらいにして本編いきましょうか」

コトタ「えっ、ここまで本編じゃなかったんですかーーー!?」

 

歴史の父

コトタ「これまでと同じなら、オープニングトークが長いのは、

    つまり本編が短いってことですよね」

なた「それは言わないお約束……。

   1人のお話を複数回続けてしまうとだれてしまうのもあるので、

   なるべく大事なとこだけぽぽんと紹介していく感じにする予定ではあります。

   まあ司馬遷というより史記についてで複数回やりたいぐらいなのですが……」

コトタ(これは好きな人物は複数回やっちゃうパターンだな……)

なた「さあ本編進みますよ!」

コトタ「はーい」

なた「まずはサブタイトルについて触れておきましょうか」

コトタ「歴史の父ってヘロトドスでは?」

なた「よくご存知で。

   司馬遷も中国、そして日本や東アジアの歴史の父と言える存在でしてね」

コトタ「ほほう」

なた「実は司馬遷の時代、つまり武帝代(紀元前100年前後)には

   “歴史書"らしい"歴史書"は存在しませんでした。

   というか"歴史"ってジャンルもなかったのです」

コトタ「そうなんですか!?」

なた「例えば孔子が編纂したとされる"春秋"は魯国主体の年代記なのですが、

   "●●年 春 二月 △△が××で■■する"

   みたいな記述が並んでるだけでして」

コトタ「無機質ですね……。

    でもそれは歴史では?」

なた「何があったかしか書いてないものは歴史ではなく、ただの記録ですよ。

   そもそも史記の"史"も歴史の"史"ではなく史官(記録館)という意味でしてね。

   要するに史記は"史官の記録"だったわけです、当初は」

コトタ「ふむふむ」

なた「そんな各国の史記を色々集めて司馬遷は"太史公書"というものを書き上げてるのです」

コトタ「太史公書……?」

なた「それは後世では"史記"と呼ばれております」

コトタ「頭が混乱してきました……」

なた「しかし、司馬遷の史記はただの記録だけではなく、

   読み物、つまり文学作品としても楽しめるものでしてね。

   それが後世の中国、延いては日本や東アジアの歴史書の著述形式の基礎を成したのです」

コトタ「ほええ……」

なた「ギリシャやローマにおいては、

   ヘロトドスだけでなく、プラトンやアリストテレス、ホメロスなどの作品が

   それぞれ古代の歴史や哲学・思想、そして文学を描いていますが、

   中国では司馬遷の史記がそれら全ての基礎だったのです」

コトタ「その辺りだとソクラテスやソフォクレスもお仲間ですかね」

なた「(コトタさんは中国史よりギリシャ史のが詳しいのか……?)

   で、中国において"歴史(というか史)"というジャンルが確立したのが南北朝時代」

コトタ「司馬遷の生きた時代の500年ぐらい先じゃないですか!!」

なた「そう、歴史書なんて概念がない頃に、

   後世では普通となる歴史書を作り上げたということが、

   司馬遷が歴史の父たる所以なのです」

コトタ「そんな偉大なる歴史の父、司馬遷の人生を紹介ですね!」

なた「そうしたかったんですがね……。

   とりあえず司馬遷と史記の中国史における位置付けだけで今回は終わりです」

コトタ「えっ!?

    だれるとか言いながら結局複数回に渡って司馬遷ですか!?」

なた「いえ、いずれ司馬遷Part.2で彼の人生を語ろうとは思います。

   史記の列伝の最後は"太史公自序"と言いまして、

   それこそ司馬遷自身の列伝なので、語る内容は山ほどありますしね」

コトタ「とっても気になるんですけど……」

なた「さて、オープニングトークで"司馬遷みたいに色んな人物を紹介するぞ"

   というのが今回の企画のテーマだと言いましたが、

   もうひとつのテーマは本編中にも登場させております」

コトタ「歴史の父にでもなりたいんですか?」

なた「それは無理無茶無謀ですから……。

   そうじゃなく、史記と同じで"読み物として楽しい"企画にしたいなってお話です」

コトタ「そう思われたら嬉しいですね!」

なた「ですね!!!

   それでは今回はここらで」

コトタ「次回をお楽しみに!!!」

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