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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第109回

なた「前回、最後の主人公である呂雉が亡くなりました。

   ここから最終回までは主人公不在で話が進みます」

コトタ「後日談みたいなものでしょうか」

なた「ですね。

   呂氏がどうなるかだけじゃなく、

   その後の漢王朝についても軽く触れる予定です」

コトタ「そのまま三国時代までやっちゃえばいいんじゃ……?」

なた「400年近い歴史になりますし、それはまた別の企画で……。

   それに愉快な仲間達の生き残りすら消えたら、

   さすがに項羽と劉邦とは言えなくなっちゃいますしね」

コトタ「既に項羽が亡くなってから22年、

    劉邦が亡くなってから15年経ってるんですがね!?」

なた「気にしないでください!!!」

コトタ「わかりました!!

    じゃあ本編お願いします!!!」

 

劉氏VS.呂氏・その1

なた「呂雉が亡くなってるのに呂雉編ってのもおかしいので、

   サブタイトルは変えました」

コトタ「劉氏と呂氏の戦いですか……。

    確か若き劉氏が動いたって、前回の最後に仰ってましたね」

なた「ええ。

   以前酒宴にて呂氏に抵抗の意思を示した朱虛侯の劉章と

   弟の東牟侯の劉興居がその若き劉氏です

   あとはその2人の兄である斉王の劉襄もですね」

コトタ「3人とも劉肥の息子ってことですね」

なた「その中でも劉章が最初に動くきっかけになっていましてね。

   理由は呂禄の娘なんですが」

コトタ「あ、劉章は呂禄の娘を娶ってましたね」

なた「なので呂氏が良からぬことを企んでいるってのを事前に察知できたわけです。

   どうやって情報が漏れたかはわかりませんが」

コトタ「劉章の性格だとすぐにアクションを起こしてそうですが」

なた「その通り。

   劉章は劉襄に人を送って挙兵する様に伝えさせたのでした。

   外からは斉兵、内からは劉興居や陳平、周勃らと呼応し、

   呂氏に誅を下して、劉襄を皇帝に即位させる計画を練ったのです」

コトタ「ほええ……」

なた「劉襄は舅の駟鈞、将軍の魏勃、大臣の祝午、

   そして宰相の召平と劉章発案の計画について相談しました。

   3人は同調したのですが、召平だけはどうしても反対するのです」

コトタ「それこそ"下手に動いたら"って不安もあるでしょうしね……」

なた「そういう懸念はあったでしょうね。

   で、斉国では少しばかり事件が起きちゃっています」

コトタ「事件……?」

なた「劉襄が召平を殺そうとしたんですよ。

   理由は"空気読めやゴルァ!!"ってことでしょう」

コトタ「ええ……」

なた「対して召平は兵を率いて斉王の宮殿を包囲しようとしたのです」

コトタ「完全に内乱じゃないですかー!!」

なた「さらに計画に同調していた魏勃までもが召平に接近しましてね。

   "斉王は挙兵を計画してますけど、ありゃおかしいっすね。

    だって朝廷から正式に兵を動かす許可もらってないんですもん。

    宰相(召平)が王宮を包囲するのも間違ってないっす。

    そんな宰相の為に私が王宮を包囲してあげましょう"と」

コトタ「呂氏誅滅計画も前途多難だぁ……」

なた「召平は素直に魏勃に兵権を渡したのですが、

   魏勃はそのまま王宮ではなく宰相府を包囲し始めます」

コトタ「えっ」

なた「魏勃の策略だったわけです。

   追い詰められた召平は自殺しています」

コトタ「あらら……」

なた「この魏勃、実は曹参に取り立てられた人物でしてね。

   決してぽっと出ではないんです」

コトタ「そう言えば曹参は斉の宰相でしたもんね」

なた「ですです。

   曹参に認められたって時点でなかなかの人物だってことです」

コトタ「ほええ」

なた「というわけで邪魔者がいなくなった斉は兵を挙げます。

   併せて祝午を使者として瑯琊に送りました」

コトタ「瑯琊ってことは劉沢?」

なた「ですね。

   "呂氏誅滅の為に斉王が兵を興しました。

    ですが斉王はまだ若く、戦争の経験もない為、

    歴戦の王様(劉沢)のお力を借りたいと考えております。

    是非とも総大将になってもらえませんか?"

   と劉沢を味方に引き入れようとしたのです」

コトタ「劉沢は何と?」

なた「すぐに斉へ向かっています。

   でもこれ謀略でしてね」

コトタ「えーーー!?」

なた「劉沢は斉に留め置かれるだけで、総大将になるなんてのはウソでした。

   劉襄の目的は瑯琊国の兵士を吸収することだったのです」

コトタ「敵を倒す上で身内を本当に騙すのはどうかと……」

なた「この出来事が後々に影響するなんて劉襄は思ってなかったでしょうけどね。

   それはまたその時にお話しますが」

コトタ「不穏だなぁ……」

なた「しばらくして劉沢が劉襄に話を持ちかけました。

   "斉王こそ高祖(劉邦)の嫡長孫にあたるので、皇帝に即位すべきお方です。

    朝廷の群臣もそれはわかっているのですが、決断できないでいるのでしょう。

    きっと劉氏の長老である私の判断を待っているに違いないのです。

    私を斉に留めるのは得策ではありません。斉王のお役にも立たないでしょう。

    今すぐ私を長安へ送って群臣と計らせるべきです"と」

コトタ「確かに劉沢の鶴の一声で事態を一変させれる可能性が高いですものね」

なた「劉襄は納得して、盛大に劉沢を長安へ送り出したのでした。

   その後すぐに劉襄は済南の地(呂国)を攻め始めました。

   そして各地の諸侯に檄文を送ったのです」

 

劉襄「高祖は天下統一を果たしてから、子弟を王に封じた。

   我が父には斉を治めさせ、父が死ぬと私を斉王とした。

   先帝(恵帝)が崩御してから太后(呂雉)が政治を始めたが、

   太后は自分の一族の意見だけを尊重し、

   好き勝手に皇帝を殺し、挿げ替えた。

   さらに3人の趙王(劉如意、劉友、劉恢)を殺し、

   今では趙だけでなく梁(呂)も燕も呂氏一族が王として立っている。

   太后も崩御したが、天子(後少帝)では幼く天下を治めることはできぬ。

   ならば諸侯や群臣が天子をお支えすべきなのに、

   呂氏一族が太后同様に好き勝手に自分達を高い地位に押し上げ、

   ウソの詔勅を用いて天下を牛耳ろうとしている。

   我らの漢王朝は今危機を迎えているのだぞ!!

   私は兵を挙げて関中に入り、呂氏を誅滅する!!!」

 

コトタ「もっと大きな内乱始まったーーーー!!」

なた「これに対して楚王の劉交(劉邦の弟)は呼応していたようで、

   相国の呂産は斉楚の出兵を知り、大将軍の灌嬰に迎撃命令を下しました。

   当初灌嬰は命令に従って兵を進めていたのですが、滎陽に至ると思い直します。

   "このまま私が斉王を倒しても呂氏一族がさらに力を付けるだけでは?"と」

コトタ「ほう……?」

なた「灌嬰は滎陽に留まり、劉襄に使者を送ります。

   "他の諸侯と団結して、呂氏が動こうとしたら一丸となって戦いましょう"と」

コトタ「灌嬰も劉氏側に仲間入りってわけですね」

なた「劉襄は灌嬰に言われた通り、とりあえず他の諸侯を待つ為に進軍を止めています。

   一方その頃、呂氏勢力ですが」

コトタ「ああ、そっちも気になりますね」

なた「呂産と呂禄は関中で乱を起こそうと考えていました。

   それが劉章にバレて斉が動いたって流れでもあるんですが」

コトタ「そうでしたね」

なた「しかし長安には陳平と周勃、それに劉章と劉興居の兄弟までいて、

   東に目を向けると斉楚を始めとする劉氏諸侯王がいます。

   それに頼れる大将軍の灌嬰が裏切ってしまうと何ともできなくなります。

   その為"灌嬰が斉王と戦い始めたら決起しよう"と決めていたのです」

コトタ「でもその灌嬰は既に斉王側についてる?」

なた「ええ。

   だから呂氏側は動くに動けないって状況が継続していたわけです。

   でもそれは長安にいる劉氏側の人も同じでしてね」

コトタ「ん?」

なた「呂産は南軍、呂禄は北軍の軍権を持っていましたし、

   朝廷の中枢は呂氏側ばかりだったからですよ」

コトタ「あー……。

    外にいる斉王は大きく動けたけど、内からはなかなか難しいんですね」

なた「でもやっぱり歴史は膠着を好みません」

コトタ「前回の最後もそんな表現してましたね」

なた「はい。

   だから今回はここで終わりです!!!」

コトタ「えっ!?

    じ、次回をお楽しみに!!!」

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