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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第103回

なた「今回から紀元前193年に入ります」

コトタ「これまでと違って異常な速さで進んでいきますね?」

なた「そりゃ大きな戦乱自体は終わりましたからね。

   (表向きは)平和な時期だとイベントは少ないものです」

コトタ「そういうものですか」

なた「意図的に政治的な内容は省いてるのもありますがね。

   地味ですし、あまり面白みがないものが多いので」

コトタ「なるほど」

なた「では本編行きましょうー!」

 

功績第一の最期

コトタ「あ……これは……」

なた「想像している通りです。

   劉邦の旗揚げ直後から漢王朝草創期まで、

   常に劉邦の後方を支え続けてきた大功臣の蕭何が病に倒れました」

コトタ「えーっと、愉快な仲間達のオリジナルメンバーは全員生きてましたよね?」

なた「どこまでをオリジナルメンバーとするか微妙なとこですが、

   沛から従ってきた蕭何、曹参、夏侯嬰、樊噲、盧綰、周勃はこの時点では生きてますね。

   以前話した通り盧綰はそろそろ死にますが」

コトタ「功績も一番で愉快な仲間達だけでなく、

    漢王朝の筆頭とも言える蕭何が遂に……」

なた「恵帝が直接見舞いに行ってましてね。

   こんな会話があります」

 

恵帝「蕭何、無事かな?」

蕭何「これは陛下ではありませんか。

   もう私はダメでしょうな……」

恵帝「そうか……。

   では万が一にも君が亡くなったら、次は誰に任せれば良い?」

蕭何「それは陛下が一番わかっていることでしょう?」

恵帝「ふむ。

   曹参ならどうだ?」

蕭何「陛下の仰る通りでございます。

   曹参に後を任せられるなら私はいつ死んでも後悔はありませぬ」

 

コトタ「漢王朝で相国になったのは3人と言ってましたが、

    蕭何と董卓ともう1人ってのは曹参だったんですね」

なた「その通り。

   一応もう1人いるにはいるんですけどね……。

   それはまた後日お話するでしょう」

コトタ「また別の企画で?」

なた「いえ、この企画で紹介することになります。

   さて、この後すぐに蕭何は亡くなりました」

コトタ「あらら……」

なた「一方その頃斉では」

コトタ「何で斉です?」

なた「曹参は斉の宰相だったでしょう」

コトタ「あ、そうでしたね」

なた「曹参は蕭何の訃報を聞いて、すぐに家人らに

   "今すぐ外出の支度をせよ。私は長安で相国になるだろう"

   と言っています」

コトタ「自分でもわかっていた、と」

なた「ですね。

   それと同時に使者が到着し、曹参を召し出していますので」

コトタ「蕭何と曹参は沛の小役人時代からの付き合いで、

    仲良しでしたものね」

なた「それがそうでもなくてですね。

   蕭何が後方を任され、曹参が前線で将軍をやり始めた頃には

   お互いに溝が出来て、関係は良好ではなかったんですよ」

コトタ「あら……」

なた「しかし曹参は入朝して相国に任じられると蕭何の決めたことを遵守して、

   一切変えることはありませんでした」

コトタ「なんだかんだで蕭何を尊敬していたんでしょうかね?」

なた「後述しますが、そういうことなんでしょう。

   それに蕭何が後継者として挙げた人物は曹参だけなんですから。

   劉邦と恵帝も"曹参が次"という話はしていますが、

   他にもいるならば蕭何は死ぬ前に伝えていたでしょうし」

コトタ「なるほど……」

なた「曹参は官吏の中から、仕事が不得意でも素直な者や誠実な者を選び、

   自分の幕僚とし、仕事はできても名声を欲しがってる者は皆遠ざけました。

   それに幕僚のミスはどんなものでも曹参自身が庇って隠したので、

   相国府は常に平和な状態が続いたそうです」

コトタ「人となりがなんとなくわかりますね」

なた「ですが曹参は人材配置等が終わると毎日朝から晩まで酒を飲んでいるだけです。

   他の大臣や官吏はいつ見ても曹参が仕事をしていないので、

   それを咎めようとするんですが、毎度曹参が酒を誘ってくる為、

   結局酔わされて帰されることが続き何も言えないでいたのでした」

コトタ「曹参の意図がわからないですね……」

なた「ここで出てくるのが曹窋」

コトタ「誰……?」

なた「曹参の息子なのですが、恵帝の側に仕えていましてね。

   恵帝は曹参が全く仕事をしていないので、不満を漏らしました。

   "まさか相国は私が若年だからとテキトーにしているのではないのか?"と」

コトタ「まあそうなりますよね……」

なた「というわけで曹窋が恵帝の命令で曹参に直接問いただすこととなりました。

   曹参は激おこで曹窋を鞭打ち200回の罰を与えて怒鳴りつけます。

   "お前はすぐに宮殿に帰って陛下の側にいろ!

    天下の大事をお前ごときが話すんじゃない!!"と」

コトタ「いやぁ……何か違うような……」

なた「後日、曹参は恵帝から直接問いただされました。

   その時の会話をどうぞ」

 

恵帝「曹窋を攻めたようだが、あれは私がやらせたことだ」

曹参「そうでしたか……」

恵帝「で、仕事を全くしていないそうだが、どうしてなのだ?」

曹参「ふむ……。

   陛下は先帝と比べてどちらが優れていると思っていらっしゃいますか?」

恵帝「私と先帝を比べることなんてできるか。

   全てにおいて先帝が優ってるに決まっておろう」

曹参「では私と蕭何を比べたらどうでしょうか?」

恵帝「君では蕭何には敵わないだろうな」

曹参「陛下の仰る通りにございます。

   かつて先帝と蕭何が天下を治め、法令を明確にしてくださいました。

   今私と陛下にできることは先帝と蕭何が築いたこの国を

   何もせずに守ることではないでしょうか。

   2人に及ばない私達にとってはそれで十分ではないですか?」

恵帝「君の言う通りだな」

 

なた「項羽、匈奴、異姓諸侯王との戦いがやっと終結して、

   漢王朝が休憩に入ったところだった為、曹参の"何もしない"というのは

   後世でも非常に評価されていましてね」

コトタ「"何もしない"って本当に何もしないんじゃなくて、

    何か問題が起きない限りはこれまで通りを貫いていたって感じですかね」

なた「そういうことですね。

   では今回は少し短いですがここでおしまいです」

コトタ「今回主役は出ないんですね」

なた「呂雉は次回活躍するので」

コトタ「あんまり喜ばしくもないですがね……」

なた「果たして漢王朝はどうなってしまうのか!!」

コトタ「次回をお楽しみに!!!」

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