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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第93回

なた「劉邦による天下統一後の粛清祭が続いていますが」

コトタ「そんな物騒な祭やめてください!!」

なた「と言われても史実ですし……。

   というかこの粛清祭があるから項羽と劉邦って難しいんですよね」

コトタ「難しい?」

なた「創作にしづらいのかなーって。

   劉邦を(演義の)劉備みたいな聖人君子に仕立てることも難しいですし、

   項羽も生き埋めしまくってて主役には向かない」

コトタ「どっちもぶっちゃればクズキャラですものね……」

なた「綺麗に終わるなら天下統一まででいいんでしょうけど、

   結局後日談では主人公の劉邦、ヒロイン格の呂雉がドロドロとした

   粛清劇を演じるわけですし、それを隠すことが難しい」

コトタ「三国志だってそういうのはたくさんあるでしょう?」

なた「だからそういうのが少ない諸葛亮が後半の主役格になって、

   諸葛亮が死んだら終わりってなる作品が多いんですよ」

コトタ「あー、なるほど……」

なた「というわけで後日談繋がりで韓信の死の後日談をやっていきます」

コトタ「うまく繋げてきた!?」

 

さよなら、貧乏人・後日談

なた「陳豨の反乱を平定して都に戻った劉邦はそこで韓信の死を知りました」

コトタ「どう反応したのです?」

なた「喜んだそうですね。

   ただ同時に憐れんだとも記述があります」

コトタ「可哀想なのは事実ですしね……」

なた「呂雉に対して韓信は死に際に何を話したか問うと、

   "蒯徹の言う通りにしてれば良かったとか言ってましたよ"と答えたので、

   "蒯徹?ああ、韓信の臣だった斉の弁舌家だったか"と応じます」

コトタ「ふむふむ」

なた「蒯徹は逮捕されました」

コトタ「何で!?

    って思いましたが、まあ天下統一前に謀反を示唆した時点で

    当然と言えば当然ですかね……」

なた「ですね。

   連れて来られた蒯徹と劉邦が会話しているのですが、

   例の如く会話シーンを見ましょう」

コトタ「はーい」

 

劉邦「蒯徹、お前は韓信に謀反を提案したんだってな?」

蒯徹「仰せの通りにございますよ。

   でも私の計略をあの馬鹿は用いなかったので、斬り殺されたわけです。

   もしも私の計略通り謀反を起こしていれば、陛下では韓信に勝てなかったでしょうね」

劉邦「なんだと!?

   この口だけ野郎を釜茹でにせよ!!!」

蒯徹「私は冤罪なのに釜茹でにするんですか?」

劉邦「何が冤罪だ!

   お前は韓信に謀反を唆したんだろう!?」

蒯徹「かつて秦が天下を失った時、諸侯は皆それを追いかけました。

   結果、行動が早く有能な者が天下を得ましたよね」

劉邦「だからどうした!!」

蒯徹「盗跖(伝説的な盗賊の親分)の飼い犬が堯(五帝の1人)に対して吠えた逸話がありますが、

   それは堯が悪人だったってわけじゃないでしょう。

   単純に犬は自分の飼い主じゃないから吠えただけです」

劉邦「何が言いたい!?」

蒯徹「あの頃の私の飼い主は韓信です。陛下のことを知らなかったわけです。

   だから陛下に対して吠えるのは間違っていないでしょう?

   それに陛下の様になりたいと思ってる人は天下に大勢いますが、

   皆そうなっていないのは力が足りないからです。

   そんな彼らを皆謀反人だと言って釜茹でにするんですか?」

劉邦「……もう良い。

   蒯徹を釈放せよ」

 

なた「蒯徹は弁舌家らしく口先によって許されたのでした」

コトタ「韓信が蒯徹を手放さなければ……」

なた「謀反は成功していたでしょうね。

   当時の韓信に劉邦を裏切るつもりがなかったので何とも言えませんが」

コトタ「蒯徹はどうなったんです?」

なた「その後の動きはわかりませんね。

   それ以前は韓信の元から離れてから曹参の客人としていたみたいですが」

コトタ「ほほー」

なた「その頃、曹参は斉の宰相ですが"人材を求めるなら礼を尽くせ"という

   蒯徹の助言を実行して、名宰相として称賛されていますね。

   恐らく蒯徹は曹参に対して周公旦辺りの逸話を説いたんでしょうね」

コトタ「なるほど。

    えーっと後日談は他に何かあるんです?」

なた「いいえ、韓信に関わる話は特にないですね」

コトタ「えっ」

なた「でもこれだけで終わってはさすがに短すぎるので、

   一応後日談らしい話をしておきましょうか」

コトタ「だからオープニングトークが少し長めだったんですね」

なた「ええ、それが理由でした。

   さてコトタさん、空白になってる王位があるの覚えています?」

コトタ「んーと……燕王は盧綰だし……」

なた「地理的には惜しいですね。

   代王が空白だったんです」

コトタ「あ、そう言えば劉如意が趙王に封地替えしてますものね」

なた「ですです。

   劉邦は趙の北にある常山以北の大半を代に編入させ、

   その上で代王を誰にすれば良いか臣下と諸侯に意見を求めました」

コトタ「劉邦の親族から選ばれるとして候補がもう少ないような……」

なた「ここで蕭何や盧綰らから推薦されたのが劉恒です」

コトタ「誰……?」

なた「劉邦の息子で、彼の母親は薄姫という人です。

   彼と彼女については後々の回でまた話しますので詳しくは置いておきますが、

   蕭何らが"劉恒様は賢く善良である"と評価している程の人物ではあります」

コトタ「ほええ」

なた「というわけで劉恒が代王に封じられ、薄姫も代王太后として代地へ赴いたそうです。

   これが結構運命の分かれ道でしてね。それも後々話します」

コトタ「ふむふむ」

なた「さて今回は話すことがないので終わりにして、

   次回の教えて!粛清祭ですが……」

コトタ「タイトルが変わってますよ!?」

なた「臧荼、張敖(この人だけは存命)、韓王信、韓信と異姓の諸侯王

   が立て続けに粛清されてますし……。

   ですが、まだ粛清されていないのが何人か残ってますよね?」

コトタ「長沙王の呉臣、淮南王の黥布、あとは梁王の彭越?」

なた「正解!

   その内の誰かが死にます」

コトタ「えーーーーーーー!?」

なた「では次回をお楽しみに!!!」

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