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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第92回

なた「さて前回から続く韓信の死シリーズ」

コトタ「嫌なシリーズだ……」

なた「と言っても予告通り今回で終わるのですがね」

コトタ「でしたね」

なた「早速本編へ行きましょう」

 

さよなら、貧乏人・その2

なた「前回、陳豨が曼丘臣や王黄と共に趙や代の地で反乱を起こし、

   劉邦自ら征伐へ出向き趙の都である邯鄲に駐屯していました」

コトタ「趙や代の大半が反乱軍によって制圧されている状況でしたね」

なた「ですね。

   劉邦は周昌に命じて趙にいる将軍になれそうな4人を探させています」

コトタ「ほう?」

なた「とりあえず会話シーンを見てみましょう」

 

周昌「陛下、将軍候補の4人見つけて来ました」

劉邦「この4人か?

   こんな奴ら将軍なんてできるのか?」

4人「め、滅相もございませぬーーー!!」

劉邦「ああ、もういいから顔を上げろ。

   お前らを1000戸に封じて将軍にするぞ」

4人「えっ」

側近「ふぁっ!?」

劉邦「なんだ?文句あるのか?」

側近「関中入りから項羽討伐までに功績を挙げた数多くの将軍の

   褒賞がまだ行き届いていないのに、

   何も功績すらない彼らを封じるだなんてどういうことです?」

劉邦「お前ら本当に何もわかってねーな。

   俺は陳豨を征伐するぞって天下に檄を飛ばしただろう。

   それでも諸侯らの兵はまだ集まってきていない」

側近「ですね……」

劉邦「そんな状況なら邯鄲にいる趙の将兵を使って陳豨を倒すしかないだろうが。

   何でたかが4000戸を惜しまんといかんのだ」

側近「仰る通りでございます……」

 

なた「というわけで4人は1000戸に封じられ、

   反乱軍に対抗する将軍に任命されたのでした」

コトタ「その4人の名前は残ってるんです?」

なた「いえ、4人としかわかっていないですね」

コトタ「じゃあ活躍を特にしたわけでも?」

なた「してたのでしょうけど記録は特になさそうですね。

   この話の主旨は"劉邦が4000戸を惜しまなかった"って部分でしょうし」

コトタ「なるほど」

なた「続いて劉邦は反乱軍対策を考えます。

   調べてみると反乱軍の将軍達はみんな元商人ばかりだったのです」

コトタ「つまり?」

なた「金があれば動くってことです。

   劉邦は"俺この戦いに勝つ方法わかっちゃったかもー"と言い、

   大量の金を用意させて反乱軍の将軍らを買収したのでした」

コトタ「ええ……」

なた「案の定ですが、金に釣られた将軍達は皆帰順したのでした」

コトタ「戦争に卑怯もクソもないとは言いますが、

    なんというか……」

なた「言いたいことはなんとなくわかります。

   プロスポーツもサラリーキャップがないリーグなら、

   結局資金力があるチームが強いじゃないですか。

   あれモヤっとしますよね」

コトタ「うんうん、"結局金かよ!"って言うのが何とも。

    まあお金はとっても大事なんですがね!!!」

なた「さすが市場を執り仕切ってるコトタさん。

   えっとここから紀元前196年に入ります」

コトタ「最近結構進みが早いですね」

なた「イベントが減ってますしね。

   反乱軍との戦いは結構激戦でして、互いに勝ったり負けたりって感じでした。

   愉快な仲間達の古参である周勃も参戦してますが、

   なかなか攻め抜けなかったりしてます」

コトタ「ほええ」

なた「劉邦自身も東垣を攻めているんですが、そこを守っていたのが趙利」

コトタ「あれ?聞いたことがある名前」

なた「曼丘臣と王黄が王に立てた趙の公子ですよ。

   あくまで陳豨の将って記述になってますが」

コトタ「それこそ今は陳豨が代王名乗ってるんですものね」

なた「ええ。

   劉邦も東垣をしばらく落とすことができずにいたのですが、

   反乱軍の兵が皆門の上から劉邦を罵倒したのです。

   それに劉邦は激おこプンプン丸になり、

   東垣が陥落すると罵倒した兵士のみ処刑して、他は全員許しています」

コトタ「項羽が同じ状況なら他全員を生き埋めにしてたでしょうし、

    劉邦はまだ人間的にはマシなんですかねぇ?」

なた「微妙なとこですね……。

   さて東垣を制圧した劉邦はまた策略を練ります。

   曼丘臣と王黄に賞金を賭けたのです」

コトタ「そのパターンはまさか」

なた「すぐに彼らの部下が2人を縛って投降してきてますね」

コトタ「やっぱりお金かぁ……」

なた「陳豨率いる反乱軍は2人が消えたことでほぼ瓦解状態です。

   とりあえず反乱は終息した感じになっています。

   その頃、実はもう1人の韓信こと韓王信(もう韓王じゃない)が

   匈奴兵を率いて代地を攻撃していたんですが」

コトタ「張良(韓の宰相の家系で祖国復興を頑張ってた)は

    どんな気分なんでしょうね……」

なた「特に韓王信が匈奴に帰順したことについて、張良のコメントは残ってないですね。

   漢王朝での立場的にも"知るか"ぐらいだったのかも?

   そんな韓王信に対して棘浦侯の柴武が手紙を送っています」

コトタ「ほほう?」

なた「"陛下は寛大なお方なのは王様(韓王信)も知ってるでしょう?

    過去に裏切っていたとしても戻って来れば許してくれますって。

    匈奴に降ってるとは言え、大きな罪があるわけじゃないですし、

    今すぐ漢に帰順するのが良いと思いますよ"と」

コトタ「劉邦なら本当に許しそうですもんね」

なた「恐らく許してたでしょうね。

   さすがに王ではなく侯止まりでしょうけどね。

   しかし韓王信は柴武の申し出を拒否して、徹底抗戦の構えを示します。

   結果、柴武によって韓王信は斬られてしまいました」

コトタ「もう1人の韓信も死んでたーーー!?」

なた「ええ、偶然にも。

   まだ韓信は死んでないですけどね?」

コトタ「今回死ぬじゃないですかーやだー!!!」

なた「まあその通りなんですが……。

   では韓信のお話をしましょう」

コトタ「ゴクッ……」

なた「劉邦は陳豨征伐で天下に檄を発していますが、

   当然韓信も例に漏れず要請を受けていました」

コトタ「そりゃ列侯の1人ですものね」

なた「ですが韓信は仮病を使って兵を出さずにいたのです。

   それどころか当初の目論見通り内乱を起こす為に

   陳豨へ使者を送ってやり取りしていました」

コトタ「あれだけ劉邦を裏切らないって言い張ってたのに……」

なた「人は変わるモノです。

   韓信の策は夜間に偽の詔勅によって宮殿にいる奴隷や囚人を釈放し、

   その者達を使って皇后や太子を殺すというものでした」

コトタ「ガチの反乱、というか革命ですね……」

なた「人員配置から詳細な作戦まで決定され、

   あとは陳豨からの連絡待ちってとこでしたが、

   ここで事件が起こっちゃいます」

コトタ「既に事件が起こりすぎるんですがね!?」

なた「仰る通りで……。

   えーと韓信の雑用係だった人の弟が呂雉に密告してるんです。

   "韓信が謀反を計画している"とね」

コトタ「あらら……。

    でも何故その弟が韓信を裏切るんです?」

なた「過去にその雑用係は何か罪を犯してしまって、

   韓信に殺されかけてるんですよ。多分その頃の恨みがあったのでしょう」

コトタ「なるほど……」

なた「呂雉は韓信を呼び出すことにしましたが、

   普通に呼び出しても絶対に来ないのは誰にだってわかりますよね」

コトタ「ですね」

なた「ここで久々に登場するのが功績第一の蕭何です」

コトタ「蕭何は丞相でしたっけ?」

なた「いえ、この頃は既に相国の位になってますね。

   丞相より上の存在として蕭何の為に作られた位です。

   諸侯国の宰相達も一応相国という位ですが、それとは別格と思ってください」

コトタ「わーお」

なた「漢王朝だと相国の位になったのは3人だけです。

   1人は三国志でも有名な董卓なんですけど」

コトタ「そう言えばそうでした」

なた「もう1人は……後日の回でお話しますので割愛っと」

コトタ「えーー!?」

なた「すぐわかるんで、今は韓信の話をしましょうよ」

コトタ「はぁい……」

なた「呂雉は蕭何にどうやったら韓信を呼び寄せることができるか相談します。

   蕭何は"反乱が平定されたってことを名目に諸侯を呼び寄せると良いでしょう"と答えます」

コトタ「どういうことです?」

なた「皇帝自らが征伐に向かって勝利したんですから、

   諸侯は祝賀に入朝して当然でしょう?それを拒むことはできませんし」

コトタ「確かに」

なた「というわけで"陳豨は死んだ(死んでない)!反乱は平定された(これは半ば事実)!"と

   情報を諸侯に流します」

コトタ「韓信はどう動いたのです?」

なた「さすがに韓信はすぐに動こうとしなかったようで、蕭何が直接会いに行っています。

   "韓信殿、ご病気とのことですが、陛下を祝賀する為ですし

    無理にでも参内すべきでしょう"と蕭何が話し、

   韓信も自分を取り立ててくれた蕭何を無下にはできないので入朝したのでした」

コトタ「まんまと騙されたんですね……」

なた「そうなりますね。

   のこのことやってきた韓信を呂雉は兵に命じて縛り上げます。

   韓信は死ぬことを悟ってこう言いました。

   "嗚呼、蒯徹に言われた通りにすれば良かった。

    女に騙されて殺されることになるとはな。これが天命なのだろうか"と」

コトタ「そして韓信は……?」

なた「呂雉の近侍に斬られて死にました。

   当然ながら親族も全て皆殺しにされております」

コトタ「ふええ……」

なた「これが中国史上最高の名将と名高い韓信の最期です」

コトタ「劉邦も韓信もどうするのが正解だったのでしょうね……」

なた「どっちにしろ"狡兎死して走狗烹らる"のは避けれなかったでしょうね。

   では今回はここまでとします」

コトタ「次回は?」

なた「韓信の死の後日談を少しやる予定です」

コトタ「わかりました!

    それでは次回の教えて!項羽と劉邦をお楽しみに!」

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