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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第91回

なた「今回、というか次回に重要人物が死にます」

コトタ「初っ端から飛ばしてきましたね!?」

なた「というかこれからそういう回だらけですけどね……」

コトタ「寂しい回が続くんですか……」

なた「冒頭でしみじみしててもアレなので、

   早速本編に行きたいと思います」

コトタ「はーい」

 

さよなら、貧乏人・その1

コトタ「重要人物ってまさか!?」

なた「そのまさかです。

   先に言いますが、次回で中国史上最高の名将とされる韓信が死にます」

コトタ「今回はその1ですものね。

    次回か……」

なた「楚漢戦争中には大将軍に大抜擢され、最大の武功を挙げて斉王に封じられ、

   天下統一後は楚王に封じられましたが、謀反の噂によって淮陰侯へ格下げ」

コトタ「"樊噲なんかと同格になってしまった"と嘆いてたんでしたね」

なた「ですです。

   そんな韓信の最期を見ていきましょう」

コトタ「お願いします……」

なた「韓信の死に大きく関わってるのが陳豨という人物なのですが」

コトタ「初登場ですね」

なた「初登場なはずです。

   陳豨は陽夏侯らしいので、楚漢戦争中も功績があったのでしょう。

   そんな彼の役割は北方国境の防衛でした」

コトタ「対匈奴の将軍ってことでしょうか」

なた「そういうことです。

   かなりの数の将兵を自由に扱うことができる立場だったみたいなので、

   劉邦からも信頼されていたのがわかります」

コトタ「ふむ」

なた「陳豨は戦国四君の1人である信陵君(魏無忌)を慕ってまして、

   それを真似して食客を多く養っていたのです」

コトタ「魏無忌は陳平を紹介した魏無知のお父さんでしたね」

なた「ええ。

   陳豨が休暇で趙を通った時に宰相となっていた周昌

   が対応しているのですが、その時もたくさんの食客を引き連れていましてね。

   車は千を越え、宿舎が満員になる程だったそうです」

コトタ「凄い……」

なた「周昌はこれを危険と感じました」

コトタ「何で……?」

なた「だって長年国境付近で大規模な兵員を預かっていて、

   たくさんの食客を抱えてるんですよ?

   謀反を起こすと思われても仕方がないでしょう」

コトタ「いちいち疑ってたらキリがないですよぉ……」

なた「周昌はすぐに劉邦にそれらを報告し、

   劉邦はその言葉を受け入れて、陳豨について調査させています。

   すると食客が行った悪事のほとんどに陳豨が関わってることがわかったのです」

コトタ「あらら……」

なた「陳豨も調査されてるのは知っていた為、どうしようかと悩んでいたのでした」

コトタ「悪事はダメかもですが、劉邦に反逆しようとしてたわけではないんでしょう?

    それなら悩まずとも毅然とした態度でいれば良いのでは?」

なた「それが実は以前韓信とこんな会話をしてましてね」

コトタ「あ、会話シーンですね」

 

陳豨「では淮陰侯、私はここらで失礼します」

韓信「陳豨殿、ちょっと良いかな?」

陳豨「何でしょう?」

韓信「2人で話したいことがあるのだ。

   ちょっと付き合ってくれ」

陳豨「承知しました。

   人払いさせましょう」

韓信「うむ……。

   さて陳豨殿、お主が今守っている場所はとても重要だ。

   それに精兵の多くを任せられている」

陳豨「畏れ多くも」

韓信「それは陛下が陳豨殿を信任しているからであろう。

   つまりお主がもしも謀反を起こすと噂が立っても陛下は信じない」

陳豨「……!!」

韓信「だが2回目にそんな噂が立てば、さすがの陛下も疑う。

   3回目ともなれば陛下自ら北方へと征伐へ行くだろう」

陳豨「淮陰侯は何を仰りたいのでしょう……?」

韓信「そうなればお主が本当に反逆し、

   私が長安を攻めるように内応するのはどうだろうか?」

陳豨「わかりました。

   淮陰侯の仰せの通りに致します」

韓信「よし、共に天下を取ろうではないか」

 

コトタ「えーーーーーーーーー!?」

なた「韓信はもう既に劉邦への忠誠心なんてなくてですね。

   謀反を起こす気満々だったんですよ」

コトタ「そして陳豨は共犯者だった……?」

なた「というわけです。

   陳豨は韓信をかなり尊敬していたらしく、

   悪事というのもその為だったのでしょう。

   だから食客を集めていたのかも知れません」

コトタ「秦と西晋の天下統一直後をこのブログで教えてもらいましたが、

    前漢も相当ひどいですね……。

    いつになったら盤石の天下を見ることができるのか……」

なた「統一直後なんてだいたいどこも同じですけどね!

   さて話を戻しますが、このタイミングで曼丘臣と王黄……

   って覚えてます?」

コトタ「えっと……」

なた「ほら、匈奴との戦いで韓王信の敗残兵を集めて戦ってた将軍達ですよ」

コトタ「あーーー、いましたね」

なた「曼丘臣と王黄は韓王信(もう韓王じゃないけど)の命令で

   陳豨に謀反を持ちかけてるんです」

コトタ「陳豨を通じて韓信と匈奴が劉邦に対抗しようとしてる!?」

なた「上手くやってれば冒頓と韓信連合という

   誰も勝てそうにない軍団が出来上がってたかもですねー」

コトタ「項羽でも厳しそうだ……」

なた「そんなタイミングで長安へ呼び出された陳豨は進退極まり、

   曼丘臣らに従って謀反を起こし、代王を自称したのでした。

   そして趙や代の地を攻撃し始めます」

コトタ「やっちゃった……」

なた「これに対して劉邦は自ら軍を率いて趙へ向かい、邯鄲で駐屯しました。

   そこでこう言っています。

   "陳豨は邯鄲に何故いないのだ?あいつはダメな将軍だな"と」

コトタ「どういうことです?」

なた「邯鄲は趙の都ですからね。そこを先に抑えるべきなのに、

   別のところでせっせと戦ってる状況からの発言でしょう」

コトタ「なるほど」

なた「あと劉邦はこの戦いに際して宣言しています。

   "あの野郎、信頼してたから重要拠点を任せてたって言うのによぉ!

    この反乱は全部陳豨の罪だ。他の者に罪はない!

    だから帰順した者は全員許そう"と」

コトタ「そもそも韓信を信じて楚王のままにしておけば、

    陳豨も裏切らなかった可能性が高そうなんですがね……?」

なた「それは言わないお約束。

   で、陳豨の反乱は劉邦が上述した様な評価程悪くなくてですね。

   代や趙の地の大半を陳豨が抑えちゃってるぐらいなんです」

コトタ「かなり大規模な反乱だった!?」

なた「そりゃ当時最強の匈奴と面する国境防衛の将兵がいますしね。

   曼丘臣や王黄もいたので旧韓兵と匈奴兵もいたでしょうし。

   それなら上手くいかないわけがないのも事実でしょう」

コトタ「そうですね……」

なた「反乱軍に負けた郡守(太守)達を処刑する様に周昌は言いましたが、

   劉邦は"力不足なだけで罪はないから許す"としています」

コトタ「器量が大きいのか小さいのかよくわからない人ですね、劉邦」

なた「基本的には大きい人物なんでしょうけど……。

   というわけで今回は以上とします。

   次回はその2をやっていきましょう」

コトタ「はーい!

    次回をお楽しみに!!」

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