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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第89回

なた「前回は劉敬の最後の活躍を見てもらいました」

コトタ「その言い方だと死んだみたいに聞こえます……。

    そもそも最初の活躍が最近でしたし」

なた「確かに。

   今回も最近登場した人物の最後の活躍を語りますがね」

コトタ「ほほう?」

なた「まあサブタイトルでわかるでしょう」

コトタ「またそういうパターンですか……。

    では本編お願いします!」

 

不穏な香りを消臭

コトタ「あーー!

    これまで不穏な香りを漂わせていた趙の宰相の貫高ですね」

なた「正解!」

コトタ「消臭ってことは……」

なた「つまりそういうことです。

   貫高は以前から劉邦を殺そうと計画していましたが、

   それが政敵にバレてしまいましてね」

コトタ「あらら……」

なた「当然政敵は劉邦にそれをチクったわけです。

   そして劉邦は趙王の張敖を始め、陰謀に加担している臣下を

   全て捕らえる様に命じました」

コトタ「当たり前な流れですね」

なた「しかし臣下らは大半が自殺してしまったのです。

   ただ貫高を除いて」

コトタ「拷問されるぐらいなら自殺しようって思ったんですかね……」

なた「残された貫高は自殺した臣下らを見て激おこです」

コトタ「そりゃ自分だけに責任がのし掛かってしまいますものね……。

    首謀者ですから仕方がないんですが」

なた「いえ、怒った理由はそこじゃないのです。

   貫高はこう言っています。

   "お前ら何故自殺したのだ!?

    王様は無実なのに捕まってしまったぞ?

    お前らが死んだら誰が王様の無実を証明するのだ!?"と」

コトタ「意外にも忠義な人だった!?」

なた「何度も殴られ、刃物で刺す場所すらなくなり、

   全身が傷だらけになるまで拷問をされても、

   貫高は"我らが王様は無実だ。私達だけでやろうとしたことだ"と言い、

   それ以上話すことはありませんでしたしね」

コトタ「ふええ……」

なた「貫高がひたすら"王様は無実"としか言わないので、

   それを法務官が報告したところ、劉邦が興味を持ちます。

   "立派な奴だな。貫高はどういう人物だ?"と周りに聞くと、

   貫高の同郷だった泄公が名乗りを挙げました」

コトタ「泄公……新登場でしょうか?」

なた「ここでしか登場しませんがね。

   "貫高を以前から知っていますが、彼は嘘をつきません"

   と泄公が言うので、劉邦は泄公を代理人として

   貫高に慰問する様命じたのでした」

コトタ「どういう意図があるんです?」

なた「同郷の友人や知人が会いに来れば本当のことを

   話すだろうって算段があったのでしょう」

コトタ「なるほど……」

なた「というわけで泄公が貫高に会いに行きました。

   泄公は貫高とかつての様に談話し、タイミングを見計らって聞きます。

   "趙王は本当に無実なのか?"と」

コトタ「旧友が来たと思ったら、やっぱり疑われてるって

    ショックな気もしますがね……」

なた「確かに……。

   貫高はこう答えました。

   "家族を愛さない奴っていると思うか?

    私の家族や親戚は全員処刑されることが決まっているだろう?

    そんな状況で王様の為に嘘をつく奴がいるか?

    何度でも言うが、今回の計画は私達だけでやったことだ"と」

コトタ「真実ですしねぇ」

なた「劉邦は泄公からの報告を聞いて、張敖を釈放。

   但し張敖は趙王から宣平侯に格下げされています」

コトタ「空位になった趙王はどうなったのです?」

なた「代王に立てられていた劉如意が転封されてますね。

   戚夫人が産んだ劉邦の男子の1人です」

コトタ「どんどん異姓王が減っていきますね……」

なた「ですねぇ。

   そして劉邦は貫高を賢人だと認めて、そっちも釈放させています。

   泄公がその連絡をしに行ったのですが、貫高は大喜びです」

コトタ「そりゃそうでしょう。

    暗殺しようとした相手に許されたんですから」

なた「いえ、またもですが理由はそれじゃなくてですね。

   "本当に王様は釈放されたのか!?良かった……"って」

コトタ「どこまでも忠義に厚い人じゃないですかーーー!!」

なた「それに対して"陛下は君を尊重して釈放してくれたのだよ"と泄公は言いました。

   すると貫高は空を見上げて話し始めます。

   "私がどんな拷問も耐え続けたのは、王様が無実ということを証明する為だ。

    王様が釈放されたのなら、私の仕事はもう終わったと言えるだろう。

    死んでも恨みも何もない。それに私は臣下の身でありながら主君を殺そうとした。

    陛下に再び仕えるなんて面目が立たないだろう。

    許されたとしても、私が恥じないわけがない"と」

コトタ「まさか……」

なた「その場で貫高は自殺しています」

コトタ「あらら……」

なた「ちなみに張敖と貫高が捕まった時、

   田叔や孟舒と言った人物も一緒に捕まっていたのですが、

   劉邦は彼らも許しており、皆有能だと認められたことで

   重職を任せられています」

コトタ「しっかりフォローしていたんですね」

なた「というかこの一連の事件って、

   張敖を王から格下げする為の口実でしかなかったんじゃ?

   なんて思ったりもするんですよね」

コトタ「えっ」

なた「実はこんな会話もありましてね。

   呂雉が"張敖は娘の婿なのですから、反逆するわけないでしょう?"

   と言ってるのですが、劉邦はそれに対して

   "あいつ(張敖)が天下を奪ったらそんなの関係なくなるだろうが!"

   と激昂してるんです」

コトタ「元々劉邦は張敖が反逆する可能性を考えていた?」

なた「だと思ってます。

   貫高は自殺したんじゃなくて、口封じに殺されたのでは?って。

   さすがに趙国の宰相ですから、簡単には死んでくれないでしょう。

   なので"張敖の無実を証明した"という大義を与えたというストーリーかな、と」

コトタ「劉邦なら……ありえそう……」

なた「でしょう?

   というわけで劉敬に続き、最近登場したばかりの人物が鬼籍に入りました。

   次回は序盤から登場している人物が死にます」

コトタ「まだ劉敬は死んでませんし、そんな予告ってあります!?」

なた「あと次回から紀元前197年に入りまーす!!」

コトタ「わぁ、綺麗にスルーされた!

    次回また会いましょう!!」

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