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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第73回

なた「遂に西楚覇王の項羽が死にました」

コトタ「始皇帝の天下を継いだ英雄の死ですね」

なた「ええ。

   そしてその項羽の天下を引き継いだのが劉邦です」

コトタ「今回からはロスタイムですもんね。

    劉邦が天下統一を果たしてからの流れでしたっけ?」

なた「ですね。

   いつか忘れましたが宣言した通り、後々には呂雉編もありますので」

コトタ「あー、それもありましたね」

なた「とは言っても詳しく書けばばここまでの72回よりも長くなってしまいます。

   なのでハイライトな感じで進めればと思ってます」

コトタ「そう言いつつ詳しく書いちゃう癖に……」

なた「なるべく減らしますからぁ……。

   では早速本編へ行きましょう!」

 

戦後処理

なた「まず項羽の死体を分け合った5人のお話から」

コトタ「賞金が賭けられてたんでしたね」

なた「項羽を殺した者を万戸侯に封じるという約束だったみたいでしてね。

   5人でそれを分けています。まあ合計して1万戸には達してないようですが……。

   えーっと、王翳が杜衍侯、呂馬童が中水侯、楊喜が赤泉侯、

   呂勝が涅陽侯、楊武が呉防侯にそれぞれ封じられています」

コトタ「皆が列侯されたんですね」

なた「本来なら呂馬童だけがその権利を有してたような気もしますが、

   約束は約束ですからね」

コトタ「そう言えば分け合ったというより奪い合って手に入れた5人でしたね……」

なた「項羽が殺されたことで楚は完全に漢によって平定されました」

コトタ「ということは天下が再び統一された、と」

なた「いえ、それがまだなんです」

コトタ「えっ」

なた「項羽が最初に封じられたのはどこか覚えてます?」

コトタ「確か魯公だから魯ですね?」

なた「その通り。

   周公旦が興し、孔子が生まれた国としても有名な国です。

   その魯は漢に帰順せずにいたわけです」

コトタ「礼を重んじる国っぽいですしね」

なた「劉邦は当初魯を皆殺しにしようと考えました。

   しかし項羽の首を見せると魯の民が帰順した為、

   項羽を魯公の礼で葬儀を執り行い、埋葬したそうです」

コトタ「何故首を見せて帰順したんです?」

なた「"君主(項羽)が死んでいるかわからないのに帰順できるか!"ってことですよ。

   死んでいるとわかったので帰順したのです」

コトタ「なるほど」

なた「まだ漢に降らなかった者がいまして」

コトタ「ほう……」

なた「臨江王の共尉です」

コトタ「項羽に臨江王として封じられた共敖の息子ですね」

なた「ですです。

   共尉はすぐに盧綰と劉賈に攻撃され、捕まってますがね」

コトタ「他に漢に抵抗した勢力はあるのです?

    例えば項羽の一族とか」

なた「項羽の一族は意外にも許されてましてね。

   その筆頭はやっぱり項伯ですが射陽侯に封じられています。

   この企画で登場した人物だと項它が平皋侯となっています。

   それと項襄という戦時中から劉邦側に従ってた項羽一族もいて、

   彼は桃侯に封じられており、一般的には劉襄と呼ばれてますね」

コトタ「ん……?何で劉襄なんです?」

なた「劉邦は項羽一族に劉氏を与えてるんですよ。

   なので項伯も劉纏と呼ばれていましたし」

コトタ「ほええ」

なた「余談ですが、この企画で語ることはないであろう(前漢6代皇帝の)景帝代に

   劉襄の息子は丞相にまで上り詰めています」

コトタ「項羽の一族ってだけで皆殺しにされるかと思いましたが、

    劉邦は思ったよりも大人物なんですねー」

なた「そうでもないですけどね……。

   それはまた追い追い話しますが、次は彭越と韓信の処遇です」

コトタ「2人とも先の戦いで領土と王号を約束されてましたね」

なた「ええ。

   彭越は梁王として魏地を与えられ、

   韓信は楚王として楚地を与えられています」

コトタ「あれ?斉地はどうなったのです?」

なた「義帝の後継がいないって理由で韓信は楚王になっています。

   そもそも韓信は楚出身なので、そっちのがいいだろうって理由もありました。

   斉は70の城がありましたが、楚は50の城しかないので、

   領地としては減っていますがね……」

コトタ「強国の斉の領地を韓信に与えておくのはまずいと感じた?」

なた「本音はそこにあるでしょうね」

コトタ「ふむ……」

なた「この時点での臣下に対しての処遇は一通り終わりです。

   次に兵士や民衆に対してですが、大赦を下しています。

   "8年も戦乱が続いて兵士も民衆も皆疲れただろう。

    もう天下は平定された。なので死刑以外の者を全員赦す!"と」

コトタ「こういう時の改元と大赦は定番ですものね」

なた「定番ではありますが、この頃は元号ってのが存在していません。

   元号ができたのは武帝代ですので」

コトタ「そう言えばそうでしたね。

    ってことは武帝より前の時代はどう呼んでたのです?

    当然西暦はありませんし」

なた「漢王何年だとか王名と何年目で呼ばれてました。

   始皇帝が崩御した年だと秦始皇帝37年ですね。

   胡亥が即位してからは秦二世皇帝元年、2年と続いたわけです。

   つまり王や皇帝が代替わりするごとに改元されていたのですが、

   紀元前202年は漢王5年と呼ばれます」

コトタ「劉邦側は漢王5年でしょうけど、例えば項羽側ではなんと?」

なた「西楚覇王5年でしょうね。王になったのは同年ですので」

コトタ「ふむふむ」

なた「というわけで戦後処理としてはここまでにしておきましょう。

   次回、重要なイベントが起こります」

コトタ「あれですね……!!

    では次回の教えて!項羽と劉邦をお楽しみにーー!」

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