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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第60回

なた「なんと今回で第60回です!!!!」

コトタ「次の長期企画の時は最初から"全100回以内には抑えたい"と言うようにしましょうね。

    当初はこの企画も全30回予定と仰ってたんですから!」

なた「そうでしたっけ……」

コトタ「はぁ……。

    えっと今回は陳平が主役でしたね」

なた「ですです!!

   早速本編をどうぞ!」

 

亜父、子を正せず引退す

コトタ「亜父?」

なた「そのまま父親に次ぐ存在って意味ですね。

   実はこの企画で話してなかったのですが、

   項羽は范増のことを亜父と呼び慕っておりました」

コトタ「あー、項羽は伯父はいても父親がいませんものね。

    范増は"劉邦を殺せ!"と繰り返してたおじいちゃんですね」

なた「その范増は項羽の右腕で智謀の士でした。

   つまり劉邦にとっての張良や陳平ポジションってとこでしょうか」

コトタ「項梁存命時だと項羽と同格ぐらいな存在で、

    鴻門の会でも北側に座ってましたし、それなりの地位にあったのはわかります」

なた「ええ。

   劉邦を危険視して辺境の巴蜀や漢中に封じさせたのも范増の提案ですし、

   韓王だった韓成を項羽が殺しましたが、それを提案したのも范増です」

コトタ「まさに項羽のブレーンですね」

なた「今回はその范増が引退するまでのお話ってとこなんですが」

コトタ「そこに陳平が関わってくる?」

なた「そういうことです。

   劉邦が"混乱する天下を落ち着かせるにはどうすりゃいいんだろうな"と

   陳平に質問したところが始まりです」

コトタ「実質前回の"楚の勢いを削ぐにはどうすればいいか"に繋がってるんですね」

なた「ですね。

   "項羽には亜父や鍾離昩、龍且、周殷といった

    優秀な人材がいますが、それでもほんの数人です。

    王様が私に数万斤の黄金を与えてくだされば、それを使って反間計を仕掛け、

    項羽と臣下の関係をぶっ壊すことができるでしょう。

    項羽は猜疑心が強く、讒言も信じやすい為、内部崩壊間違い無しです。

    そこに王様が兵を挙げて攻めれば楚なんてイチコロですよ"

   と陳平は答えております」

コトタ「数万斤の黄金……。

    価値はわかりませんが、とにかくたくさんのお金ってことですね」

なた「劉邦は"いいぞ!どんどん使え!"という勢いで、

   陳平に4万斤の黄金を自由に使う許可を出しています」

コトタ「陳平だと着服しそうですが……」

なた「そんな記述はないですが、してそうな気もします。

   それは置いといて、陳平は大量の金を使って早速謀略を開始しました。

   金があれば楚の陣中に入り込むのも簡単ですからね。

   さすがに陳平本人ではなく部下にやらせたのでしょうけど」

コトタ「どんなことをしたんです?」

なた「"范増や鍾離昩は項羽に従い多くの功績を挙げた。

    にも関わらず、王に封じられなかったことを恨んでいる。

    その為に彼らは漢に帰順して項羽を討ち、王になろうと考えている"

   という噂を流しまくったのです」

コトタ「あからさま過ぎる反間計じゃないですか」

なた「あからさまですよね。

   でも項羽はやっぱり人を信用しない、基本的に疑ってしまう人物です。

   結果として范増や鍾離昩らに不信感を募らせています」

コトタ「陳平の謀略が大成功した、と」

なた「まだ大成功ではないですね。準備完了ってとこでしょうか。

   そして前回話した通り楚の勢いは強まっており、

   実は滎陽(漢軍の最前線拠点)は項羽率いる軍勢に包囲されていたのです」

コトタ「えーーー!?」

なた「包囲されれば当然食糧不足に陥り、士気は低下していきます。

   追い詰められた劉邦は講和の使者を項羽に送ったのでした」

コトタ「一時停戦ってとこでしょうか」

なた「一時停戦というより、もう終戦しようってノリだったと思いますよ。

   内容としては滎陽より西を漢、東を楚として天下を分けようってものでしたから」

コトタ「天下二分の計……!」

なた「甘寧や魯粛が考えたものと毛色は違うと思いますがねww

   項羽は劉邦の講和条件に一度は同意しようとしたものの、

   范増が"漢を倒すなんて簡単だから、講和なんてしないでいい!"

   と真っ向から反対したわけです」

コトタ「項羽が天下を取るには、まずは劉邦を倒すべき

    ってのが范増の根っこにあるんでしょうかね」

なた「実際そうですしね。

   范増によって講和が成立しなかったことを劉邦は嘆きました。

   で、史料によってはこのタイミングで陳平が反間計を仕掛けております」

コトタ「ふむふむ」

なた「で、ここからが陳平の謀略の本番です。

   項羽の使者が来るということで、陳平は豪華な宴会の準備をさせました。

   使者が宴会場に顔を出すと陳平は驚きます。

   "あれ?范増様の使者だと思って準備してたのに、項羽様の使者だったのか"

   と言いながら出した食事を片付けさせ、粗末な食事に変えたのです」

コトタ「まさに謀略だぁ……」

なた「当然ですが使者は帰陣してから項羽に状況を報告します。

   項羽は報告を聞いて"亜父め、劉邦と通じてるな?"と疑ったのです」

コトタ「先の黄金作戦も効いてるから尚更ですよね」

なた「ええ。

   范増が"すぐに滎陽を落とすべきです!"と話すも項羽は全て無視。

   項羽が自身に疑念を抱いているという事実を知った范増は

   "天下のことは大方定まったと言える。後はもう王様が好きにやってどうぞ!

    引退させてください"と言い、項羽が許可したので軍を去ったのでした」

コトタ「あらら……」

なた「范増はその後故郷に帰る途中で病死したとありますが、

   項羽が暗殺した可能性もあるでしょうね」

コトタ「儒教の国で亜父とまで慕った相手とそんな決別って悲しすぎでは……」

なた「確かに。

   ここで項羽は范増を失ったのは結構大きい出来事でしてね。

   劉邦の元にはまだ張良も陳平もいますが、項羽には計略を善くする人物が

   1人もいなくなったんですから」

コトタ「陳平の謀略凄い……」

なた「でしょーー?

   次回も陳平の謀略が光る回ですよ!!

   是非楽しんでくださいね!」

コトタ「謀略を楽しむのもどうかと思いますが……。

    では次回をお楽しみに!!!」

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