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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第35回

なた「項羽が久しぶりの登場と言いましたが」

コトタ「えっと第27回以来ですね。

    それ以降名前は挙がってますが、登場はしていません」

なた「でしたかね。

   ではそんな項羽のお話を始めましょうか!」

コトタ「お願いします!!」

 

項羽と劉邦

コトタ「このサブタイトルをここで使います!?」

なた「最終回みたいな雰囲気ですよね。

   2人のファーストコンタクトはさらっと流してましたし、

   今回で大きく2人の関係が変わるのもあって、これにしてみました。

   ちなみに2人は項梁軍にいた頃に義兄弟の契りを結んだって話もあったりします。

   しかも野史ではなく正史である史記の記述です」

コトタ「何でそんな重要なお話をその時にしなかったんですか!」

なた「今回より先のお話でわかる事実なんですもん」

コトタ「ほほう……」

なた「さて項羽は趙を救い、章邯を降し、黄河より北の地をほぼ手中に収め、

   遂に関中へと進軍をし始めたのです」

コトタ「かなりの大軍ですよね。

    章邯軍の秦兵が数十万とかだったのでは?」

なた「約20万ですね。

   元々の楚軍と合わせても40万近かったみたいです。

   それで問題が起きています」

コトタ「何があったんです……?」

なた「楚軍の将兵や官吏は過去に強制労働やらで秦に招集され、

   奴隷の様に扱われてた人も多いんです」

コトタ「あー多そうですね」

なた「今度は逆になったわけですよ。

   あくまで章邯軍、秦兵は降った側ですから」

コトタ「楚兵が秦兵を虐げた?」

なた「端的に言えばそういうことですね。

   捕虜ではなくあくまで帰順した新しい仲間のはずなのですが、

   そんな簡単なお話ではなかったわけです」

コトタ「20万の秦兵の不満が爆発したら大変なのでは……」

なた「ええ。

   秦兵が不満を漏らし、密談していることを聞きつけた

   項羽はとんでもない決定を下しています」

コトタ「とんでもない決定……?」

なた「"これから関中に入るのに秦兵が謀反を起こしたら大変なことになる。

    章邯と司馬欣と董翳以外は殺してしまおう"と諸侯に話し、

   秦兵20万を生き埋めにしたのでした」

コトタ「えーーーーーーーーーーーーーーー!?」

なた「内憂を解決した項羽軍は秦軍を撃破しながら遂に関中の入り口、

   函谷関に到着します」

コトタ「函谷関は劉邦軍が防備してるんでしたよね」

なた「そうなんです。

   ここで項羽は初めて劉邦が咸陽を陥落させたことに気付いたんです。

   当然ながらコトタさんが前回言ったように項羽は激怒しています」

コトタ「そりゃそうでしょう!」

なた「項羽は黥布に攻撃命令を下し、函谷関を突破したのです」

コトタ「さすがに黥布の攻撃を劉邦軍では守りきれないですよね……」

なた「関中に入った楚軍はぐいぐいと突き進み、劉邦軍の駐屯する覇上まで近づきました。

   そして夜になったところで項羽の元に劉邦軍から使者がやってきたのです」

コトタ「謝罪の使者ですかね……?」

なた「いえ、劉邦軍は劉邦軍でも劉邦本人ではなくてですね。

   愉快な仲間達の1人である曹無傷が送った使者なんです」

コトタ「独断ですか?」

なた「完全に独断ですね。

   項羽が攻撃してくる情報を知って、自分だけ助かろうとしたのか、

   "劉邦は関中の王を名乗ろうとしています!子嬰を宰相にして、

    咸陽の金銀財宝も全て自分のモノにするつもりです!!"

   と劉邦を裏切り、項羽に取り入ったのでした」

コトタ「ええ……」

なた「項羽はさらに怒ります。

   "夜が明けたら劉邦を攻撃するぞ!"と全軍に命令します。

   項羽の参謀である范増もそれに同調し、こう言っています。

   "劉邦は東にいた頃は酒と女が大好物で強欲な野郎だったのに、

    咸陽に入ると財貨にも女にも手を出していないと聞きます。

    これは志が大きく、何か企んでいる証拠でしょう。

    急ぎ劉邦を殺さなくてはなりません!"と」

コトタ「曹無傷の言ってる話と食い違ってる気もしますが……」

なた「話はどうあれ項羽の関中入りを邪魔した事実がありますから」

コトタ「それもそうですけど……」

なた「一方その頃、劉邦軍の張良の元にとある人がやってきました」

コトタ「とある人……?」

なた「第12回で"覚えておいてください"と言ったはずです」

コトタ「あっ!項伯!!!!」

なた「正解!

   項伯は殺人の罪を犯した時に張良に匿ってもらっていた過去があったので、

   せめて恩人である張良を助けようとしたのです」

コトタ「義理堅い……」

なた「項伯は項羽が明朝攻めてくるという話を伝え、

   張良だけでも逃がそうとしていたのですが、

   "私だけが逃げるなんて不義はできません。

    劉邦様にこのことをお伝えします!少し待っててください!"

   と張良は項伯をその場に待たせ、劉邦の元へ向かいました」

コトタ「こっちもこっちで義理堅い……」

なた「では劉邦と張良の会話を見てみましょう」

 

張良「劉邦様、まずいです。

   項羽様が激怒して、こちらに攻めてきてるみたいです。

   何でも函谷関を塞いで防備していたのが理由らしいですが……」

劉邦「マジか!?どうしたらいい!?」

張良「というか何でそんなことしたんです?」

劉邦「鯫生が言ったんだよ。

   関中の王になりたいなら項羽や諸侯を追い返せって」

張良「はぁ……。

   劉邦様、あなたの軍の将兵で項羽に勝てると思ってるんですか?」

劉邦「勝てるわけがないだろう!どうすりゃいいんだ!?」

張良「うーん……。

   それでは劉邦様、私が項伯殿に会うのを許してもらえませんか?」

劉邦「項伯殿?項羽の伯父君ではないか。

   何でお前が項伯殿に会いに行くんだ?交流でもあるのか?」

張良「以前彼を助けたことがありましてね。

   それもあって項伯殿が今回のことを私に伝えてきたんですよ」

劉邦「そんなことがあったのか。

   ふむ、わかった。ちなみに項伯殿とお前はどっちが年上なんだ?」

張良「項伯殿のが年上ですね」

劉邦「よし、わかった。では項伯殿を呼んできてくれ。

   俺は項伯殿を兄として敬いたいと思う」

 

なた「というわけで張良が劉邦に言われた通り項伯を呼びに行きます。

   項伯としては劉邦を助けるつもりではなかったのですが、

   張良に説得されて劉邦と会います」

コトタ「ふむふむ」

なた「では続きを見てみましょう」

 

張良「劉邦様、項伯殿を呼んできました」

劉邦「項伯殿お久しぶりですな!とりあえず乾杯しましょう!」

項伯「お久しぶりですね」

張良「ほら劉邦様、早速本題を話しましょう」

劉邦「そうだな。

   項伯殿、聞いてください。

   俺は関中に入り、咸陽を陥落させてから略奪もせず、何も手をつけずにいました。

   函谷関を防備していたのも群盗から守る為です。戸籍を管理し、国庫も厳重に封鎖して、

   項羽将軍や諸侯の皆様の到着をずっと待っていたのです。

   どうして俺が項羽将軍を裏切る必要があるんでしょうか!?

   どうか項伯殿、俺が裏切るつもりがないってことを伝えてくれませんか?」

項伯「そうですな……。

   ですが劉邦様、甥の項羽は大変激怒しております。

   私から説明はしますが、自ら謝罪に参る必要があるでしょう」

劉邦「それは当然ですな!明朝必ずそちらへ参りましょう!!」

項伯「お願いしますね。

   では私は項羽に説明する為にすぐに戻りたいと思います」

張良「項伯殿、ありがとうございます。

   お気をつけてお帰りくださいませ」

 

なた「項伯は劉邦から聞いた話を項羽に伝えます。

   "劉邦殿が先に関中に入っていなければ、項羽将軍も今ここにいないでしょう。

    劉邦殿の功績は大変大きいのですから、それを討っては天下の誹りを受けてしまいます。

    明朝、劉邦殿が謝罪に来るので話を聞いてあげてください"と」

コトタ「真実ではあるんでしょうけど、信じますかね……?」

なた「ここで信じたかはわかりませんが、項羽は項伯の言葉を受け容れていますね」

コトタ「意外ですね……」

なた「というわけで次回、項羽と劉邦の中でも

   トップクラスに有名で、かなり重要なイベントが起こります!!」

コトタ「ほええ?」

なた「では次回をお楽しみに!!!」

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