March 2024  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第27回

なた「趙を救った戦いで項羽は諸侯に武威を示し、

   事実上反秦勢力全ての大将となったのが前回です」

コトタ「対する秦の大将である章邯との決着が今回ですね」

なた「ですねー。

   秦最後の名将と呼ばれる章邯は果たしてどうなるのか!!」

コトタ「早速本編にいきましょー!!」

 

章邯の決断

なた「項羽と章邯はお互いに近い場所で陣を張り、

   睨み合いを続けていました」

コトタ「項羽が勢いのまま攻めるのかと思っていました」

なた「小競り合いはあったかも知れませんがねー。

   そこに章邯の劣勢が続いていることもあって、胡亥から譴責の使者が来ました。

   章邯はそれに返答する為、司馬欣を都に送っています」

コトタ「胡亥から、というより趙高からでしょうかね」

なた「でしょうね。

   さて司馬欣は咸陽に到着しましたが、趙高は司馬欣に会おうとしません。

   数日経ってもそれは変わらずいた為"これは罠じゃないのか?"

   と考えた司馬欣は章邯の元へ来た道とは別の道を使って逃げました」

コトタ「別に逃げなくてもいいのでは……」

なた「いえ、逃げてなきゃ殺されてました。

   趙高は司馬欣が咸陽を出たと聞いて追っ手を送り込んでますからね」

コトタ「何で!?」

なた「司馬欣が章邯に戻って報告しています。

   "趙高が政治を掌握しており、誰も奴を止められません。

    もし章邯様が勝ったとしても趙高は自分の立場を危うくすると考え、

    無実の罪で罰することでしょう。

    負けたとすれば、チャンスと思って殺されてしまいます"と」

コトタ「ああ……。

    趙高からすれば秦軍に負けられても困りますが、

    章邯に大きく勝たれても困るんですね。

    だから譴責の使者を送って、章邯を呼び戻そうとしていた?」

なた「恐らくそういうことでしょう。

   息のかかった別の将軍を送って章邯の代わりにしたかったのかと。

   さらに章邯の元に手紙が届いています」

コトタ「お?」

なた「手紙の主は陳余」

コトタ「陳余は前回のせいであまり良いイメージがないですが……」

なた「項羽の元にいたんでしょうね。手紙の中身はこんな感じです。

   "白起も蒙恬も並ぶ者がいない功績を挙げましたが、秦は2人とも殺しています。

    これまで活躍なさった章邯将軍も趙高によって殺されるに決まってます。

    秦が滅びるのは天意です。我々と手を組むべきではないですか?"」

コトタ「章邯に降伏勧告ですか!?」

なた「その通り。

   章邯は司馬欣と陳余の言葉で"あれ?俺もしかして危ない?"と疑心暗鬼に陥ります。

   悩んだ結果、項羽に和議の使者を送ったのでした」

コトタ「えーーー!?」

なた「項羽は和議を結ぶ前に蒲将軍に軍を進めさせます。

   蒲将軍は秦軍に連勝を続け、章邯の本陣手前まで攻め抜いたのでした」

コトタ「そりゃ項羽は章邯を許せませんものね」

なた「しかし再び章邯から使者が来たのでした。

   "食糧も減ってきてこれ以上は戦うのは難しいだろう"

   ということで項羽は和議を受け入れる決定を下しています」

コトタ「あれえ……?」

なた「項羽と章邯はかつての殷の都で面会しました。

   章邯は涙を流しながら項羽に趙高の悪辣さを伝えたのでした。

   項羽は章邯を雍王に封じ、司馬欣と董翳に将軍の印綬を渡しています」

コトタ「秦の主要な将軍3人が楚に降ったってことですよね?

    もう秦の滅亡が決定したようなものじゃないですか」

なた「ええ。

   章邯の降伏でほぼ秦の趨勢は決まったと言えますね。

   ですがまだ咸陽は陥落していませんし、胡亥も趙高も生きてますから」

コトタ「思えば劉邦が関中へ向かってるんでしたね。

    そっちはどうなったのでしょう?」

なた「短いですが今回はここまでとして、

   劉邦については次回からお話していきます!!」

コトタ「はーい!

    次回また会いましょう!!」

pagetop