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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第10回

なた「あっという間に記念すべき?10回目です」

コトタ「まだ主役2人が登場していませんが……?」

なた「ほら、ヒーローは遅れてやってくるって言うじゃないですか!」

コトタ「そういうことにしておきましょうか……」

 

陳勝・呉広の乱

コトタ「前回はこの乱が起こるまでの経緯でしたが、

    今回は乱の動きそのものですね」

なた「ええ。

   陳勝軍は挙兵すると、まず付近の県を攻め落とし、

   周りがどんどん呼応した為に兵力は数万に膨れ上がり、

   そのまま西へ進んで陳国へ入っています」

コトタ「意外と快進撃ですね!?」

なた「部下の葛嬰には東へ進ませて、泗水郡(三国時代の沛国)を攻めさせていますが、

   こちらも快進撃で5つの県を陥落させています」

コトタ「ほええ……」

なた「さて、陳には魏出身の張耳と陳余という名士がいました」

コトタ「聞いたことある名前です」

なた「2人は刎頸の友でして、魏が滅びた後、

   秦から逃げる為に偽名で陳のとある村の門番をしていたのです」

コトタ「刎頸……?」

なた「戦国時代の趙の人物、藺相如と廉頗という2人の故事がありましてね。

   "お互いに首を刎ねられても文句も後悔もない相手"っていう意味です。

   詳しくはいずれ……ですかね」

コトタ「張耳と陳余もそれ程の仲だった、と」

なた「ですね。

   陳勝が秦打倒を掲げて立ち上がったことを聞きつけた2人は、

   すぐに陳勝に会いに行っています。

   そして陳勝も刎頸コンビの名声は知っていたので大喜び」

コトタ「そんな名声のある人物が味方に加われば、

    ただの民衆蜂起のレベルではなくなりますよね」

なた「そう、"民衆"蜂起ではなくなろうとしたのです」

コトタ「ん……?」

なた「前回見た通り、既に"陳勝が王様!"とか自作自演

   をしているので、今更かもしれませんがね。

   陳勝軍の幹部らが"陳勝様は楚を復活させた!功績があるのだから王になるべきです!"

   と進言していたのです」

コトタ「王侯将相に種なんてない……」

なた「というわけで早速陳勝は味方となった刎頸コンビに相談しています。

   "みんなに王になれって言われてるんだけど、どう思う?"と」

コトタ「でもやっぱり王号を称するのはまずいのでは……?」

なた「刎頸コンビもそう言っています。

   "秦の暴虐から救う為に陳勝様は挙兵しました。

    陳に入っただけで王を名乗ってしまっては天下への欲を見せることになります。

    まずは戦国六国の後継者を王にさせ、秦の敵を増やしましょう。

    その間に陳勝様はひたすら西へ進み都を陥落させるのです。

    そうして初めて王を名乗れば天下は陳勝様のモノになります。

    今、陳を手に入れただけで王を名乗れば天下は付いてきませんよ"と」

コトタ「手厳しい……」

なた「陳勝は刎頸コンビの助言を聞き入れず、

   国号を"張楚"とし、王を名乗っています」

コトタ「聞いた意味は!?」

なた「さあ……?

   で、ここで小イベントが起きています。

   さっき登場した葛嬰が襄彊という人物を楚王に立てているのです」

コトタ「何で!?」

なた「陳国入りの前から別働隊として動いていたのもあって、

   陳勝が王になったことを知らなかったみたいですね。

   襄彊は春秋時代の魯の荘公の子・公子遂の子孫なので、

   それなりの家柄だったのでしょう。

   しかし、陳勝が王になったと聞きつけた葛嬰は襄彊を殺しています」

コトタ「何で!?!?」

なた「その話を聞いた陳勝は戻ってきた葛嬰を処刑しています」

コトタ「何で!?!?!?」

なた「何ででしょうね……。

   コトタさん、この頃秦の都はどうなっていたと思います?」

コトタ「かなり大きい反乱ですし、大慌てで軍を整えてるのでは?」

なた「東の地から戻ってきた使者や伝令が"反乱やばいっすよ!"と報告してるのですが、

   胡亥は"嘘をつくのはダメだよ!!!"と怒る始末です」

コトタ「ええ……」

なた「その後報告に来た者は皆反乱の状況を問われると、

   "ネズミの様な盗人が少し騒いだだけです。みんな捕まえたのでもう大丈夫ですよ"

   と嘘をつくようになり、胡亥はその答えに満足して笑っていたそうです」

コトタ「バカ過ぎませんかね……?

    これも趙高の影響でしょうか……?」

なた「そもそもの素質もそうですが、趙高ではないとある人物が原因でしてね。

   その人物についてはいずれ語ることになりますが、ここでは置いときます。

   まあ趙高が情報を統制してたので、胡亥に真実が伝わらなかったのも事実ですし。

   では陳勝軍に戻りましょう」

コトタ「はーい」

なた「というわけで陳勝軍の動きをまとめちゃいます。

   盟友の呉広は假王(仮の王)となり、滎陽(洛陽の東)へ、

   宗は九江へ、召平は広陵へ、周市は魏の地へ、

   武臣は刎頸コンビを連れて趙の地へ、

   そして周章は秦の都である咸陽を攻めています」

コトタ「なんか知らない名前がいっぱい出てきた!!」

なた「他にも大陸各地へ派兵されていますが、

   とりあえず主だった進軍コースを列挙しました。

   結果がどうなったかよくわからないのも多いんですがね。

   まず呉広が攻めた滎陽ですが、李斯の息子である李由が守り抜いています」

コトタ「胡亥が状況を知らなくても、一応対処はしてるんですね」

なた「武臣と刎頸コンビが担当している北方(趙の故地)ですが、

   一気に10の城を制圧したものの、他の城が攻め抜けないでいました。

   しかし蒯通という謀臣の策略によって、趙と燕の各城が無血開城しています」

コトタ「そっちは成功している、と」

なた「ですね。

   周章が率いる咸陽攻略軍は函谷関を超えて都のすぐそばまで迫っていました。

   その兵力は数十万とか何とか」

コトタ「勢いが凄いですね」

なた「さすがの胡亥もこの情報には驚いて信じています。

   胡亥があわあわしていたところに、章邯という秦最後の名将と呼ばれる人が名乗りを挙げます」

コトタ「秦最後……」

なた「"敵は大軍です。こちらの軍勢を集めるのは間に合いません。

    先帝の陵墓で作業している囚人を解放してください。

    彼等を率いて周章の軍を迎え撃ちます"

   と章邯が提案し、胡亥はそれを受け入れ大赦を発しています」

コトタ「結構な数ですよね……?」

なた「章邯が率いた囚人は70万という記録もありますね。

   "敵を倒せば家に帰してやろう"という言葉に囚人らは奮い立ちます。

   結果、周章は章邯に散々に打ち破られ敗走し、後に自殺しています」

コトタ「あらら……」

なた「章邯はそのまま軍勢を率いて陳勝軍を追撃していきます」

コトタ「囚人は家に帰れたのでは……?」

なた「いいえ、そのまま連れていかれてますね」

コトタ「ええ……」

なた「この周章の敗戦がきっかけに陳勝軍は瓦解し始めるのですが、

   それはまた次回以降に話しましょうかね」

コトタ「わかりました!

    では次回また会いましょうー!」

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