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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第7回

なた「前回は趙高無双をご覧頂きましたが……」

コトタ「口先だけですがね!?」

なた「趙高が胡亥と李斯を丸め込んで、秦の未来を決定付けたわけです」

コトタ「今回はその結果ですね!」

なた「ですです。

   それでは早速本編いきましょう!」

 

アホとバカ

コトタ「ふざけてます……?」

なた「いえ、いたって真面目ですよ!

   えっと前回、前々回に続いて紀元前210年のお話です」

コトタ「李斯が趙高の陰謀に加担してどうなったかですね」

なた「まず始皇帝の詔を偽造しています」

コトタ「扶蘇に宛てた手紙ってことでしょうか」

なた「ですね。

   "ずっと北の地にいるのに何も成果を挙げてないではないか!

    その癖俺がすることを諌めるばかりで、

    さらに太子になっていないことを恨んでいるらしいな!

    お前は親不孝ものだ!一緒に剣を送るから自殺せよ!"

   と扶蘇に送っています」

コトタ「ええ……」

なた「それと併せて蒙恬に対しても詔が届いてましてね。

   "扶蘇のそばにいたのに扶蘇の間違いを正さなかった!

    お前は不忠な臣下だ!よって死ね!!"と」

コトタ「いくら何でも謀略だって気付くでしょう!?」

なた「扶蘇は涙を流して、命令通り自殺しようとしていますね。

   コトタさんの言うように謀略の可能性を考えた蒙恬に止められましたがね」

コトタ「ほっ……」

なた「しかし何度も趙高から自殺を強要する使者が到着します。

   扶蘇は"父上が言うならば仕方がない"と自殺しています」

コトタ「趙高嫌い……」

なた「蒙恬は自殺しなかったのですが、捕まっています」

コトタ「逮捕するなら処刑すればいいのでは……?」

なた「あくまで建前上、皇帝が"自殺"を命じてますからね。

   処刑する命令を受けていないのでできないのでしょう」

コトタ「なるほど……。

    蒙恬には頑張ってもらいたいので、ここで処刑されたら困りますがね!!」

なた「扶蘇が自殺したという連絡が入って、趙高らは大変喜んだそうですが、

   実はまだ都に到着していない頃のお話です」

コトタ「つまり世間的には"始皇帝はまだ生きてる"ってことですね」

なた「そうなります。

   ちなみに蒙恬の弟の蒙毅は始皇帝が病気になったタイミングで

   山川の神に祈祷を命じられて離れていたのです」

コトタ「蒙毅も危ない……?」

なた「始皇帝が死んだことも知らずに蒙毅がひょこひょこ戻ってきましてね。

   "陛下は元々胡亥様を後継者にしようとしていましたが、

    それを諫めていたのは蒙毅なのです。処刑しないとダメですよ"と

   趙高が胡亥に讒言しています」

コトタ「やっぱりそういうことする……」

なた「というわけで蒙毅も捕まっています」

コトタ「ええ……」

なた「胡亥にとって、というか趙高にとって邪魔な蒙兄弟が排除され、

   始皇帝(の死体)は巡遊を終えて都に戻ります。

   そこで始皇帝崩御を発表し、胡亥が二世皇帝に即位したのでした」

コトタ「そういや諡号の制度を廃止してたんですものね。

    だから胡亥は二世皇帝ですか」

なた「ですです。

   その後、蒙恬と蒙毅は改めて自殺を命じられ、2人共死んでいます。

   (慕われている)蒙兄弟が力を取り戻すと困るので、

   趙高がしつこく讒言していたようですね」

コトタ「はぁ……」

なた「一応胡亥の甥、つまり始皇帝の孫である子嬰が諫めてはいます。

   "蒙兄弟は有能な忠臣ですし、殺したら信用を失いますよ!"って」

コトタ「もちろん胡亥は無視した、と」

なた「ですね。

   さて、始皇帝は生前より大規模な自身の墓所を作ってましてね。

   70万人を超える囚人がその作業に従事していたそうです」

コトタ「ピラミッドでも作らせてたのですか……」

なた「そして胡亥が狂ったことを言い出します。

   "パパの奥さん達で子供ができてない人を後宮から出すのはおかしいよね!"と」

コトタ「まさか!?」

なた「子供がいない後宮の女性は全員殉死させられています」

コトタ「ひどい……」

なた「それと始皇帝のお墓は当然のことですが、墓荒らし対策もしっかりしていました。

   つまり対策の仕組みを知っている人が生きていると、バレる可能性があります」

コトタ「もう続きは聞かないでもわかりますよ……」

なた「作業に従事した技術者達は墓に閉じ込められています」

コトタ「逃げられない、つまり死んでますよね……」

なた「ですね。

   それと趙高は胡亥の権威付けの為に"阿房宮"という宮殿の建築を民衆に強いています」

コトタ「ほほう……?」

なた「始皇帝存命の紀元前219年に作り始めた大規模な宮殿なんですがね。

   これにより趙高は大変民衆に恨まれたそうですが、

   無駄に大きい宮殿でして"アホ"の語源とも言われています」

コトタ「そこでサブタイトルに繋がる!?」

なた「あくまで俗説ですけどね。

   劉禅の幼名である阿斗が"アホ"の語源だって説もありますし」

コトタ「ふむ……」

なた「あと時期的には今回のお話より少し後にはなるのですが、

   趙高が"珍しい馬を見つけました"と鹿を胡亥に献上しています」

コトタ「えっと、それは……」

なた「胡亥は"これは鹿じゃないのー?"と言いますが、

   趙高は"いいえ、馬ですよ。そうですよね?"と周りに話を振ります」

コトタ「周りは趙高に逆らえない?」

なた「ええ。

   趙高の権勢を恐れた臣下は"馬ですね"と答えました。

   しかし気骨ある臣下は"いいえ、鹿です"と答えたそうです。

   その後、鹿と答えた臣下は全て殺されています」

コトタ「それが"バカ"の語源……」

なた「"アホ"同様に俗説ですけどね!

   何故趙高がこんな話をしたのかは、後々のお話ですのでその時に」

コトタ「気になりますね……。

    いずれにせよ胡亥の、というより趙高の絶対的な権力が

    確立したってことはよくわかりました」

なた「前回話した趙高の陰謀は大成功だったってことです。

   それでは今回はここまでです!」

コトタ「はーい!

    次回の教えて!項羽と劉邦をお楽しみに!!」

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