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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第6回

なた「前回は少し短かったですが、今回はちょっと長いです」

コトタ「始皇帝崩御直後のお話ですね」

なた「ええ。

   始皇帝(の遺体)が都に戻ってから"大変にしない為"にどういう動きがあったかです」

コトタ「では本編をお願いします!」

 

趙高の陰謀

なた「始皇帝が崩御すれば必ず起こるのが権力争いです」

コトタ「ああ、それが前回言ってた"大変"ですね。

    八王編で嫌という程見てきましたしね……」

なた「時系列はこっちが先ですけどもね。

   というわけで趙高が陰謀を企みました」

コトタ「始皇帝に最も信頼されていた宦官ですよね。

    扶蘇への手紙を渡しているぐらいですし」

なた「でしょうね。

   経歴はよくわかってませんが、聡明さが認められ、

   始皇帝と胡亥の側近として侍っていたようです」

コトタ「その趙高の陰謀ってのが"大変にしない為"の動きでしょうか」

なた「ですね。

   ではまず趙高と胡亥の会話を詳しく見ていきましょう」

 

趙高「陛下が崩御する前に扶蘇様への手紙を私は預かりました。

   中身は"葬儀の主催をしろ"というものです」

胡亥「そうなんだー!」

趙高「陛下は扶蘇様にしか手紙を送ってません。

   他のお子様(始皇帝には20人以上子供がいる)には一切何も送っていません。

   王に封じることもしないわけです。

   つまり都に戻れば扶蘇様が皇帝に即位するのです。

   胡亥様はそれでもいいのですか?」

胡亥「"賢い君主は臣下を知ってるし、賢い父親は子供を知ってる"って教わったよ!

   だから扶蘇兄ちゃん以外の僕らに何もなかったとしても、

   パパが決めたことに文句はないかなー」

趙高「いいえ、胡亥様。

   今この天下の権力がどうなるかは、胡亥様と私と李斯殿に委ねられているのです。

   臣下になるのと、臣下にするのでは全然結果は違いますよ。

   よーく考えてください」

胡亥「お兄ちゃんを退けて弟の僕が皇帝になるなんて許されないことだよー!

   パパの命令を守らないのは親不孝になっちゃうし!」

趙高「殷の湯王と周の武王はどちらも自分の主君を殺して王となりましたが、

   それが咎められることもなく、天下に認められました。

   大きな事をするのなら小さな事にこだわってはいけません。

   私の計画に乗ってもらえませんか?」

胡亥「うーん……。

   まだパパの死も発表してないし、葬式だって終わってないんだよぉ?

   こんなこと話して李斯さんが悩んじゃうんじゃないかなぁ」

趙高「胡亥様!計画を成功させるには時間が必要です!

   今すぐ決断を!!」

胡亥「むぅ……わかったよー。

   趙高の計画を信じるからうまくやってー」

趙高「ありがとうございます。

   では胡亥様の為に李斯殿と相談してきますね」

 

コトタ「趙高は胡亥を皇帝にしたい、ってことですね」

なた「それが計画の根本ですね」

コトタ「でも始皇帝に物怖じせず諫言を行った扶蘇こそ皇帝の器では?

    胡亥はどうも頼りないっぽいですし……」

なた「だからこそ胡亥を皇帝にしたかったのですよ。

   それに扶蘇が皇帝になると、自身の権力が危うくなってしまうのを

   趙高はわかっていました」

コトタ「始皇帝に一番信頼されていたなら大丈夫な気もしますが……」

なた「では次に趙高と李斯の会話を見てください」

 

趙高「陛下から扶蘇様への手紙を私が預かっています」

李斯「貴様!手紙を届けていないのか!?」

趙高「手紙を送れば、扶蘇様が皇帝になったでしょう。

   でも陛下が崩御したので、この事実を知るのは胡亥様と私達だけです。

   つまり次の皇帝を決める権利は私達にあるんですよ」

李斯「そんなことは我々臣下が決めることではない!!!」

趙高「李斯殿、あなたは蒙恬殿と比べて有能ですか?」

李斯「蒙恬殿には勝てぬ」

趙高「蒙恬殿より功績はお有りですか?」

李斯「あるわけなかろう!」

趙高「蒙恬殿より失敗しない自信は……どうです?」

李斯「何度も言わせるな!私では勝てぬと言っておろう!」

趙高「民衆はあなたと蒙恬殿どちらを愛してるでしょう」

李斯「貴様は何が言いたいんだ!?私が蒙恬殿に勝てるとこ等ないわ!」

趙高「扶蘇様は蒙恬殿と李斯殿どちらと仲が良いでしょう?」

李斯「蒙恬殿に決まっておろうが!!!

   どうしてそこまで私と蒙恬殿を比べるのだ!?」

趙高「賢い李斯殿ならお分かりでしょう?

   私は秦に仕えて20年以上となりますが、

   これまで丞相を辞めた者は皆、殺されているのを知っています。

   扶蘇様が皇帝となったら誰が丞相になるでしょうか?」

李斯「蒙恬殿がなるであろう」

趙高「つまり李斯殿は殺される、ということですよ」

李斯「貴様……!!!」

趙高「李斯殿、落ち着いてください。

   私が胡亥様の教育係として側にいたのはご存知でしょう?

   あの方は失敗をしたことはありませんし、それにとても誠実で心優しいお方です。

   胡亥様こそ皇帝になるべきと私は考えております。

   李斯殿、どうか協力してくれませぬか?」

李斯「帰れ!私は陛下の決定に従うまでだ!

   私が決めること等断じてない!!!」

趙高「秦が不安定になるかもしれないのに、その判断もできないのですか!?

   それが丞相の務めを果たしていると言えるでしょうか!!!」

李斯「小役人でしかなかった私を取り立ててくれたのは陛下だ!

   私の一族が富貴を預かっているのも陛下のお陰だ!

   どうしてその陛下を私が裏切れるのか!

   私が死ぬことになったとしても、それは忠臣だからだ!

   私も貴様も臣下でしかないのだから、与えられた仕事をするだけでいいのだ!!

   早く帰るがいい。貴様の話は聞かなかったことにしてやる。

   私にこれ以上罪を重ねさせるな!!!」

趙高「物事は季節の如く変化していくのが当たり前なのですよ!

   秦の運命は胡亥様次第なのです!

   何故それがわからないのですか!?テンゼン!!」

李斯「私はテンゼンではない!

   殷も斉も晋も天命に反発して滅びたのだろうが!

   私は臣下なのだから天命に従う!

   貴様の陰謀には加担せぬぞ!!」

趙高「私達が協力すれば秦はずっと安泰ですよ!

   協力してくれるなら李斯殿の一族もずっと高い地位にいられるでしょう。

   今あなたが断れば、必ずあなたの一族に災禍が訪れます!

   賢い人とは災禍を福に転じさせることができる人のことを言うのです。

   さあ、李斯殿!どうなさいますか!?」

李斯「ううう……!!!

   私はどうすればいいのだ……」

 

なた「李斯は涙を流し、趙高の陰謀に加担する決断をしたのでした」

コトタ「そんなことより途中でFF14要素混ぜないでください……」

なた「書いてたら思いついちゃって……」

コトタ「まあ……わからなくもないです。

    というか扶蘇が皇帝になったとして、

    李斯が危うくなるのは今の会話でわかりましたが、

    趙高は別に立場が変わることはないんじゃないでしょうか?」

なた「実は趙高、蒙毅に裁かれてることがあるんです」

コトタ「裁かれてる!?

    蒙毅は蒙恬の弟で、始皇帝に信頼されて側近になっていた人でしたっけ」

なた「ですです。

   趙高は大きな罪を犯して死罪と判決を受け、一度官職から外されているのです。

   しかし始皇帝は趙高が有能だと知っていたので、罪を許して復官させたのです」

コトタ「趙高としても蒙毅、つまり蒙恬の一族に因縁がある……?」

なた「そういうことですね。

   扶蘇が皇帝になれば、李斯はまだしも趙高の立場が危ういのは明らかでしたからね」

コトタ「確かに、李斯はまんまと騙されたようにも見えますね……。

    趙高が自分の為に李斯をうまく巻き込んだだけでしかない」

なた「ええ。

   一連の会話で趙高のズル賢さが凄まじいのがよくわかったでしょう」

コトタ「ですね……。

    秦はどうなっちゃうのです……?」

なた「そこからは次回です!!!」

コトタ「やっぱり!?

    次回また会いましょう!!!」

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