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コトタさんの教えて!項羽と劉邦 第4回

なた「前回は始皇帝の暴政の1つとされる焚書についてでしたが、

   今回はもう1つをやっていきましょう」

コトタ「はーい」

 

坑儒

コトタ「坑儒……。

    儒教と関係するのですかね?」

なた「ですね。

   事件が起こったのは紀元前212年のことです」

コトタ「地味に時代がどんどん進んでますね」

なた「前回"亡秦者胡也"の予言書を持ち帰った人が始皇帝に話しました」

コトタ「また登場するんですね」

なた「"私達が学んだ方術によると、君主は隠れて行動し、

    悪鬼から身を隠さないといけないようです。

    悪鬼を追い払うことができれば、真人が現れると言われております。
    真人は水に濡れませんし、火に焼かれることもなく、雲に乗って永遠の命を持っています。

    陛下は天下を統一したとは言え、世間との繋がりが深い存在です。

    不死になりたいのならば、自分の居場所は誰にもわからないようにしてください"と」

コトタ「誰にも会わなきゃ不死になれるってことです……?」

なた「そうみたいですね。

   始皇帝はこれを聞いて「真人が羨ましいーーー!」とノリノリ。

   すぐに自分のことを"朕"ではなく"真人"と言うようになっています」

コトタ「ミーハー……?」

なた「始皇帝はこれ以後、自分がどこにいるかわからないようにしています。

   例えば、都周辺の始皇帝が通る道全てに屋根を取り付け、

   壁になる人や物を配置して、どこからも自分の姿が見えないようにしています」

コトタ「形から入っちゃうタイプ……」

なた「"始皇帝が●●にいた"なんて情報を漏らした人は死刑になってますね」

コトタ「当時SNSなんてあったら死刑まみれだったんですね……?」

なた「ある日、始皇帝が山の上にある宮殿にいたのですが、

   外を眺めていると臣下の車の列を見つけたのです」

コトタ「ほほう」

なた「"あいつ車の数多くね?"と始皇帝が不満そうに呟くと、

   それを聞いた宦官の1人が臣下に始皇帝の言葉を伝え、

   その臣下も"え?まじで?"と車の数を減らしています」

コトタ「さすがに宦官はそばにいたんですね」

なた「世話する人は必要でしょうしね。

   ただ臣下の車の数が減ったことを知り、

   "誰かが俺の言葉を臣下に漏らしたんだ!!!"と激おこ」

コトタ(古い……)

なた「そばにいる宦官全員を問い詰めるも誰も名乗りあげず、

   全員捕らえられて処刑されています」

コトタ「ええ……」

なた「で、また登場するのが予言書の人。

   それとそのお友達」

コトタ「今度はどんな余計な話するんです……?」

なた「始皇帝に対してではなくお友達との会話ですね。

   "陛下はマジで自己中だし傲慢。自分スゲーって勘違いしてるわ。

    確かに天下平定したしスゲーんだけどさ。

    刑務官はルールに従ってるだけで頭かてぇし、

    学者はいっぱいいるけど定員埋めてるだけで特に何もしてないじゃん。

    政治家の連中は陛下が決めたことを実行するだけだしさ。

    陛下は厳しい法律で臣民を縛り上げて威張ってるし、

    臣民は臣民でそれが怖いから従ってるだけでしょ。

    秦の法律だと1回失敗したらもうオシマイなのに、結果出さなきゃ殺されちゃうじゃん。

    だから陛下の間違いを正そうとする人なんて1人もいないんだぜ。

    しかも陛下は自分の仕事量を毎日しっかり決めていて、

    それが終わるまで休憩すらしないんだ。臣下に勝手な仕事をさせない為にね。

    そこまで権力に対して欲深い奴に不老不死の薬を探すなんてアホらしいぜ!"と」

コトタ「話し方が軽すぎでは……」

なた「お友達に対してですしね。

   というわけで彼らは秦の都から逃げています」

コトタ「ここまで不満漏らして残るわけないですしねー」

なた「当たり前なんですが始皇帝は激おこです」

コトタ「まずい……」

なた「"徐福も船乗って探しに行くって大量に金持って行ったけど何も成果でてねーし、

    他の奴らに報告聞いても自分の利益になることをテキトーに言ってるだけ!

    逃げたアイツらなんて特に目にかけてやったのに、

    俺の愚痴を広めて逃げやがるなんて絶対許さんぞ!!!"と言っています」

コトタ「つまり……?」

なた「儒者のみならず学者やら書生やらを集めて、刑務官に徹底的に調べさせています。

   結果、法律を犯したとされる500人近い者が生き埋めになりました」

コトタ「ええ……」

なた「これが坑儒です」

コトタ「気になっていたのですが、坑ってなんでしょう?」

なた「生き埋めのことです」

コトタ「坑儒はそのまま、"儒者を生き埋めにした"ってことですね……」

なた「その通り。

   焚書にしても坑儒にしても暴政・悪政でしかなかったのですが」

コトタ「始皇帝に諫言できる者がいない……」

なた「それが1人いたんですよ」

コトタ「おお!?」

なた「扶蘇という人物なのですがね」

コトタ「誰です?」

なた「始皇帝の長男です」

コトタ「えっ」

なた「"天下が平定されて日も浅く、遠い土地の民衆は完全に秦に従っているわけでもないです。

    彼らは皆、孔子の教えを頼って生きています。

    そんな中で儒者を捕らえて殺してしまっては、天下が混乱してしまいます。

    父上が正しい判断をすることを願います"って言ってます」

コトタ「息子に対しても激おこですか……?」

なた「扶蘇は都から追い出され、匈奴の抑えとして北の地にいた蒙恬の上司になっています」

コトタ「やっぱりーーーー!」

なた「以前も話した通り、始皇帝は幼少から近しい身内にも裏切られ、

   何度も殺されかけて、人を信じることができなくなっていました。

   だから今回の前半でも話したように人を遠ざけたり、

   何でも自分で決めたり、反対した者は息子でも罰を与えたのです」

コトタ「それでも始皇帝は強大な力を持っていたから、皆従っていた……」

なた「ええ。

   厳しい法律の上で国が成り立つには、絶対的な力が必要ですからね。

   ではそんな絶対的な力が失われたらどうなるでしょう」

コトタ「まさか……?」

なた「そこからは次回にしましょう!」

コトタ「次回も是非ご覧ください!!!」

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