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コトタさんの教えて!三国志 八王の乱編 第50回

なた「前回は全編通して劉聡の暗君っぷりを話しました」

コトタ「西晋滅亡の316年が長く続きますね……」

なた「途中から第50回、つまり今回で終わらせる様に計算してたのですがね……。

   無理そうなので開き直ります!!!!」

コトタ「えーーーーーーーーーー!?」

 

西晋の滅亡・その11

なた「代王の拓跋猗盧のお話を少しします」

コトタ「少し……ですかね?」

なた「なるべく!!!

   拓跋猗盧には拓跋六脩と拓跋比延という息子がいます。

   拓跋比延が年少なのですが、拓跋猗盧は彼を後継者にしたい、

   と考えていました」

コトタ「また後継者争いですか!!?」

なた「拓跋猗盧はあからさまな人でしてね。

   拓跋六脩を宮廷から追い出して外の城を守らせ、

   さらに拓跋六脩の生母を廃しております」

コトタ「本当にあからさまだ……」

なた「また拓跋六脩が所持していた名馬を奪って拓跋比延に与えています」

コトタ「なんかやってることが子供っぽいんですが……」

なた「拓跋六脩が宮廷に戻った際、拓跋猗盧は拓跋比延に拝礼しろと命令します」

コトタ「かなり屈辱的ですね……」

なた「拓跋六脩は拒否し、その場は退出しました。

   どうしても拓跋六脩に拝礼させたい拓跋猗盧は、

   拓跋比延に自分の輿に乗せて外出させることにしたのです」

コトタ「拓跋六脩は拓跋猗盧と勘違いする?」

なた「ええ。

   拓跋六脩は輿を見かけたので側に寄って拝礼したところ、

   乗っているのは拓跋比延だったのです」

コトタ「拓跋猗盧の作戦成功ですね……」

なた「拓跋六脩は弟に対して何も言わずに自分の任地へと帰りました」

コトタ「そりゃ……ねぇ……」

なた「拓跋猗盧は拓跋六脩を宮廷に呼び出しましたが、

   拓跋六脩はそれに応じようとしません。

   それに激怒した拓跋猗盧は拓跋六脩の守る城を攻めたのでした」

コトタ「義人っぽい拓跋猗盧はどこへ……」

なた「公私は別なんでしょうかね。

   この息子に対する仕打ちを公と見るか、私と見るか微妙ですが……」

コトタ「拓跋六脩はどうなったのです?」

なた「拓跋猗盧は返り討ちに遭い、庶民の服装に偽装して市中に隠れましたが、

   見つかって拓跋六脩に殺されています」

コトタ「この企画で弑逆は初なのでは……?」

なた「どうでしたっけ……。

   家族内での殺し合いが多すぎて、すぐには思い出せませんが……」

コトタ「なんて悲しい企画なのでしょうか……」

なた「拓跋猗盧が殺されたと聞いて駆けつけたのが、

   拓跋猗盧の甥である拓跋普根でした」

コトタ「拓跋って字はゲシュタルト崩壊しにくいですね」

なた「普段あまり見ないからですかね?

   拓跋普根は早速拓跋六脩を攻め殺し、2代目代王となりました」

コトタ「あ、そっちが継ぐんですね」

なた「代の国民もそう思ったんでしょうかね。

   国内は非常に混乱し、互いに猜疑心から殺し合いを始めたのです」

コトタ「カオスだ……」

なた「零式アルファ1層?」

コトタ「久しぶりのFF14絡め……」

なた「国民は拓跋猗盧の長らく腹心であった2人の将軍を頼りました。

   その2将軍が頼ろうとした先が琨です

コトタ「盟友!!!」

なた「"拓跋普根派の連中が余所者を殺戮しようとしているが、どうしようか"

   と国民に問うと、彼らは驚き"2将軍に従います"と答えました」

コトタ「余所者?代は鮮卑族の国では?」

なた「拓跋猗盧に帰順した晋出身の人や烏丸族もたくさんいましたからね」

コトタ「なるほど」

なた「2将軍はまず人質を送り、その後3万を超える世帯と

   家畜10万頭を引き連れて劉琨に帰順したのでした

コトタ「つまり琨の勢力は……

なた「かなりの勢いで盛り返しています。

   さて代については今後本筋には出てこないので少しだけ未来を」

コトタ「ほう?」

なた「この一連が3月の話でしたが、4月になると拓跋普根が亡くなっています」

コトタ「えっ!?」

なた「拓跋普根の生まれたばかりの息子が代王を継いでいるのですが、

   その子も12月には亡くなっています」

コトタ「代替わりが早すぎでは……」

なた「そこで後を継いだのが拓跋猗盧の弟の子である拓跋鬱律でした」

コトタ「あれ?甥なら拓跋普根の兄弟では?」

なた「拓跋普根は拓跋猗盧の兄の子ですね」

コトタ「ああ、じゃあ従兄弟なんですね」

なた「ですね。

   後年、代は漢や石勒、晋から和睦や友好を求められていますが、

   拓跋鬱律は全て断っています」

コトタ「それらの勢力からも一目置かれていたってことですねぇ。

    でも何故断ったのでしょうか……。代は小国ですし味方は必要でしょう……?」

なた「南方平定の意志があったみたいですね」

コトタ「そんな無茶な……」

なた「無茶かどうかはわかりませんがねぇ。

   というわけで少しにするつもりでしたが、

   全編拓跋猗盧関係の話をしてしまいました」

コトタ「故意でしょう……?」

なた「次回をお楽しみに!!!!!!」

コトタ「あっ!!!」

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