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コトタさんの教えて!三国志 八王の乱編 第43回

なた「さて今回から313年に入ります。

   先に言っておくと、この年を"事実上の西晋の滅亡"だとする場合もあってですね」

コトタ「本来の西晋の滅亡は316年ですが、

    確か311年の洛陽陥落も同様に"事実上の西晋の滅亡"とされてましたね」

なた「ですね。

   では西晋に何が起こったのか、見ていきましょう」

コトタ「お願いします!!」

 

西晋の滅亡・その4

なた「その前にまた前年の話を少し……」

コトタ「前回と同じパターンじゃないですかー!」

なた「并州の劉琨が312年8月に"10月になったら漢を攻めよう!"

   と周辺の諸郡と約束をしていたのです。

   当然盟友の拓跋猗盧も協力することになっていました」

コトタ「ふむふむ」

なた「しかし先んじて動いた劉曜と劉粲が率いる漢軍に本拠地である晋陽を攻め抜かれ、

   劉琨は父母を殺されてしまいます」

コトタ「あらら……」

なた「敗走した劉琨が救援に来た拓跋猗盧に合流して父母の話をすると、

   拓跋猗盧は大変憤り、大軍を集めて劉琨と反撃にでます」

コトタ「拓跋猗盧はずっと義人なイメージですね」

なた「さすがの劉曜も劉粲も拓跋猗盧に大敗して逃亡。

   拓跋猗盧は漢軍をさらに追撃していき、失陥していた晋陽を取り戻せたのです」

コトタ「劉曜と劉粲は勝ったり負けたりを繰り返してますね……」

なた「劉琨は父母の仇もありますので、さらに進軍しようとしました。

   しかし拓跋猗盧が"一旦兵を休め、時機を待つべきだ"と止め、それに従ったのでした」

コトタ「劉琨もある意味主役っぽくなってきましたね」

なた「王浚同様にさりげなくずっと登場してますしね。

   ちなみに劉琨に帰順していた漢の2将軍ですが、再び漢に戻ろうとしてましてね」

コトタ「節操ないなぁ……」

なた「片方が"やっぱり戻らない!"と言って逃げた為、

   もう片方がそれを追いかけて殺しています」

コトタ「生き残った方はどうしたのです?」

なた「劉聡の元に戻り、荊州刺史・河南太守を与えられ、

   ついでに洛陽の守備も任せられていますね」

コトタ「わーお……。

    そう言えば石勒が北方に来てますよね?

    前回幽州の王浚と戦って勝ってたような?」

なた「ええ。

   313年にそのお話に繋がるのです。

   ですが先に最重要案件がやってきます」

コトタ「例の"事実上の西晋の滅亡"ですね……」

なた「1月のことです。

   劉聡は新年の宴会で司馬熾に青い服を着せて酒を注がせました」

コトタ「晋の皇帝が……そんなことを……」

なた「しかも青い服ってのは芸人や奴隷の服装なのです。

   その為、宴会に参加していた晋の臣下が大泣き」

コトタ「主君がそんなことしたら泣きたくもなりますよね……」

なた「劉聡はその様子にイラっとして司馬熾らを処刑しました」

コトタ「えーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?」

なた「というわけで西晋3代皇帝司馬熾は崩御したのでした」

コトタ「首都が陥落して、皇帝が捕虜となり、奴隷の様に処刑されたら、

    それは"事実上の滅亡"ですね……」

なた「ええ。

   この後また劉聡が宮殿を作りまくっていたのを諫言され、

   暗君みたいな処分をしようとしますが、結局臣下らに謝罪しています」

コトタ「孫権を思い出しますね……」

なた「確かにちょっと似てる?

   さて、司馬熾が崩御した情報は長安の元にも届いていました」

コトタ「長安ってことは司馬業?」

なた「先日皇太子に立てられたのもあり、司馬熾の崩御に伴って、

   4月に西晋4代皇帝に即位しています」

コトタ「西晋のラストエンペラーですか……」

なた「余談ですけど、揚州に建業ってありますよね」

コトタ「呉の首都でしたね」

なた「司馬業が皇帝になったので、避諱で建業は建康に変わっています」

コトタ「ほほー」

なた「この時、司馬睿と司馬保を左右の丞相に任じています。

   その頃の長安は住んでる人もほとんどおらず、

   整備されてないので雑草まみれ、朝廷と民間を合わせても車が4つしかない等、

   ひどい有様が記録に残っています」

コトタ「かつて天下を統一していた国家の首都とは思えないですね……」

なた「その頃石勒が動いています」

コトタ「さっき繋がるって言ってたお話ですね」

なた「石勒は甥の石虎に鄴を攻略させてまして、

   石勒自身も上白城を攻めて青州刺史を殺害しています」

コトタ「石勒はやっぱ強いですねぇ。

    そう言えば国がたくさんあると刺史も複数いたりするのでは」

なた「青州ではないですが、この頃兗州刺史は3人か4人いますね。

   司馬睿と劉琨と王浚と荀藩(司空)がそれぞれ臣下を刺史に任じています」

コトタ「ん……?」

なた「全員西晋ですね」

コトタ「ええ……」

なた「ここで伏線回収しておきましょうか。

   石勒は上白城でとある人物と再会しています」

コトタ「とある人物……?」

なた「郭敬です」

コトタ「飢饉が原因で流れてきた石勒を助けてくれたあの人ですか!?」

なた「ええ。

   石勒は降伏した上白城の兵士を生き埋めにしようとしてたのですが、

   その中で郭敬を発見しています」

コトタ「恩人を生き埋めにしそうになってた……?」

なた「そういうことになります。

   石勒は郭敬に気付いて将軍に取り立て、生き埋めにしようとした兵士

   を許して自軍に編入させています」

コトタ「セーフ!!」

なた「あと青州にいた烏丸族は王浚の元を離れて石勒に帰順してますね。

   それと部下には兗州を攻めさせて王浚が任命していた兗州刺史を殺しています」

コトタ「石勒の勢力はどんどん大きくなり、

    王浚の勢力はどんどん落ちていってますねぇ」

なた「ですねぇ。

   ここで王浚が袁術と同じ理由で袁術と同じようなことをしようとしています」

コトタ「袁術と同じ理由……?」

なた「春秋讖という予言書があるのですがね。

   そこに"漢に代わるのは当塗高なり"って有名な予言があるんです」

コトタ「ふむふむ」

なた「"塗"という字には道って意味がありましてね。

   袁術(字は公路)は名前の漢字(術と路)が道に関係してるので、

   "後漢に代わるのは自分だ"と皇帝を自称したのです」

コトタ「あー!そんなこともありましたね。

    王浚も同じような字なんですか?」

なた「いえ。

   王浚自身ではなく父親の字が処道だったんです。

   なのでそれを理由に帝位を自称しようと考えていますが、

   めちゃくちゃ周りに反対されています。

   当然反対した人間は処刑されたり、左遷されたり」

コトタ「王浚嫌い!!!!!」

なた「王浚は石勒に攻められてるだけでなく、

   元々武将だったのもあって政治なんてほとんどできなくてですね。

   その為、王浚の名声を頼って幽州に来た人士達もどんどん離れていっています」

コトタ「残念でもないし、当然ですね!!!」

なた「コトタさんの暴君暗君嫌いキャラはそろそろ定着したかな……。

   好きな人もあんまりいないでしょうけど」

コトタ「そもそも王浚は君主じゃないのもマイナスポイントですね」

なた「なるほど。

   では前回?"ここからは早足になる"と言っておきながら、

   次回も313年の話をする予定です!!!!」

コトタ「完結はいつになるやら……。

    次回をお楽しみに!!」

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