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コトタさんの教えて!三国志 八王の乱編 第40回

なた「前回の最後にロスタイムが始まる、とか言いましたが」

コトタ「言いましたね」

なた「実はなたちゃんはサッカーを詳しく知らないので、

   この言葉の意味が正しいのか全くわかりません」

コトタ「ググってみましたが、何か違いますよね」

なた「ええ。

   なのでサブタイトルは"西晋の滅亡"としてやっていきます!!」

コトタ「はーい」

 

西晋の滅亡・その1

なた「劉曜によって洛陽が陥落し、司馬熾は捕虜となり、

   事実上西晋は滅亡しました」

コトタ「でもまだ国は残っているんでしたね」

なた「ですね。

   というわけで定番の"まずは石勒"からですが」

コトタ「そう言えば前回ほとんど出てませんね」

なた「洛陽のそばまで来て合流はしていたっぽいんですがね。

   陥落した洛陽を劉曜と王弥に任せて許昌へ向かっているようです」

コトタ「ふむふむ」

なた「次に苟晞ですが、遷都予定地だった倉垣に駐屯していたのですがね。

   洛陽から司馬端(司馬遐の息子)が倉垣に逃げてきています」

コトタ「つまり元皇太子の司馬覃や司馬詮の弟ですね」

なた「ええ。

   そんなわけで苟晞は司馬端を皇太子に立てています」

コトタ「苟晞は司馬端を皇帝にして権力を抑えようとしていた?」

なた「うーん、どうでしょうね。

   苟晞は公平でかなり厳格、西晋に対して忠義を尽くしていた人物ですので、

   もちろん少なからずは権力欲はあったでしょうけど、

   あくまで西晋を建て直したかったのではないかと思います」

コトタ「なるほど」

なた「ここから苟晞による西晋建て直しストーリーが開始!!

   となるはずでしたが、残念ながら石勒が攻めてきて苟晞も司馬端も捕まってしまいます」

コトタ「あらら……」

なた「石勒は捕まえた苟晞を左司馬に任命してはいるので、

   能力を考えて部下にしたかったんでしょうね」

コトタ「苟晞は従ったのです?」

なた「ほんの少しだけ先の話ですが、反乱を起こそうとして失敗。

   石勒に殺されています」

コトタ「ええ……」

なた「西晋の重鎮がまた1人消えたのでした……。

   続いて洛陽ではどうなっていたかです」

コトタ「そう言えば劉曜と王弥に任せて、って言ってましたね」

なた「その2人が仲違いしています」

コトタ「何で!?」

なた「劉曜は先に王弥が洛陽入りしたことが不満だったようです」

コトタ「王弥が1日早く到着してたんでしたね」

なた「そもそも襄城から劉曜と王弥は共に出発してるみたいなんですね。

   だから"(漢の)皇族の自分を待たずに先に入るなんて!"と言う感じです」

コトタ「そんな我儘な……」

なた「また劉曜は王弥に対して洛陽における略奪を禁じていたのですが、

   王弥はそれに従わず略奪をしていた為、王弥の側近が劉曜に処刑されています」

コトタ「一触即発……?」

なた「一触即発どころか、王弥がそれに怒って劉曜を攻撃しています」

コトタ「えーーーーーー!?」

なた「互いに死者を多く出してしまった頃に王弥の部下が諫止したのです。

   "何やってるんですか!?相手は皇族ですし謝りましょう!!

    自分の未来をよく考えてください!!"と。

   それに従って王弥は謝罪し、劉曜と和解しています」

コトタ「やけに素直ですね」

なた「その後王弥が劉曜にこんな提案をしました。

   "洛陽は天下の中心です。四方を山河に守られており、

    立派な城壁や宮殿もあるので作り直す必要もありません。

    陛下(劉聡)へ遷都する様に進言しましょう"と」

コトタ「漢軍が洛陽に遷都すれば西晋敗北は決定的にもなりますしね」

なた「異民族が洛陽を都とするなんて大事件ですしね。

   漢民族の士気は激落ちしたことでしょう。

   しかし劉曜はそれを無視しています」

コトタ「和解したんでしょーーーー?」

なた「"洛陽は四方を囲まれて攻められやすいじゃないか"という理由みたいですね。

   その為、役所や宮殿を取り壊して燃やし尽くしています」

コトタ「あらら……」

なた「王弥はそんな洛陽を見てブチギレちゃいます。

   "所詮異民族のクソガキには帝王になる頭なんて無いんだな!!"と」

コトタ「言い過ぎですよ……?」

なた「これがきっかけで劉曜と王弥は再び仲違い」

コトタ「このままだと皇族ではない王弥が危ういですよね?」

なた「王弥の部下もそう思ったのでしょう。

   "王弥様は漢でもトップの功績をあげてきました。

    しかし皇族である劉曜様と対立してしまったのでは、今後漢に残ることはできないでしょう。

    青州に帰って力を付け、天下の趨勢を見守るべきです"と提案しています」

コトタ「そもそも青州で独立を考えていましたものね」

なた「ですです。

   王弥もこの提案に同意した、とありますね。

   その為、青州にいる曹嶷と連携し始めていたのですが、

   ここで石勒の存在が邪魔になってきます」

コトタ「今度はそっち!?」

なた「元々石勒と王弥は仲が悪かったんです。

   お互いに功績を羨んでいたみたいですね」

コトタ「味方なんですから仲良くしましょうよ……」

なた「劉淵が生きていればそうできたのかもしれませんがね。

   王弥は洛陽で略奪した美女や宝を石勒に送って出方を見ています。

   しかし裏では曹嶷と石勒を挟み撃ちにする計画を立てていたのです。

   石勒側でも参謀の張賓が"王弥を呼び出して殺しましょう"

   とこっちはこっちで計画しています」

コトタ「漢軍の2トップが争ったらどうなっちゃうんです……」

なた「ここで曹嶷へ宛てた密書を持った王弥の部下が石勒に捕まって殺されています」

コトタ「そんなのがバレたら完全に仲違いになりますよね……」

なた「いえ、この場では何も起きていません。

   で、この後に先程話した内容なんですけど、石勒が苟晞を捕らえて部下にしてるのです。

   "敵将を許すなんてさすが石勒将軍!

    俺と苟晞が将軍の左右に立てば天下は漢軍のものですね!"

   と王弥は石勒を褒め称えていますね」

コトタ「あれ?」

なた「王弥は計画がバレてることを知らなかったのですよ。

   そしてある日、王弥が周辺勢力と戦って苦戦していた時に石勒に援軍を求めています」

コトタ「石勒が応じるわけないですよね」

なた「張賓の策に従って、応じているんですよ。

   石勒は軍を率いて王弥を助けたのです。

   これに王弥は大喜びし、石勒を全く疑わなくなります」

コトタ「でも石勒は王弥の計画を知っている……」

なた「というわけで石勒は王弥を宴会に呼び出しました」

コトタ「王弥は石勒が自分を害するなんて思ってもいませんものね……」

なた「部下には散々止められましたが、王弥は気にせず宴会に参加し、

   石勒に殺されたのでした」

コトタ「劉淵、司馬越に続いて今度は王弥ですか……。

    (あくまでこの企画の)主役クラスがまた1人消えましたね……」

なた「石勒は王弥の軍を吸収してさらに巨大な軍勢となったのです。

   王弥に反乱の意思があったので殺した、と報告しています。

   劉聡はこの報告に"いやいや勝手に殺すなよ!!”とブチギレています」

コトタ「そりゃそうですよ!」

なた「王弥は劉淵にとって水魚の交わりと言われる相手でしたし、

   洛陽を陥落させた大功臣でもありますからね。

   しかしこの頃の漢軍には石勒を倒せる人がもういなかったのです」

コトタ「つまり……?」

なた「石勒は許されるだけでなく、さらに昇進させられています」

コトタ「あー……」

なた「この直後ですね。

   苟晞の反乱計画が失敗して殺されたのは」

コトタ「ここまでの話はいつ頃なんです?」

なた「えっと311年6月に洛陽が陥落して、

   311年10月に王弥と苟晞が殺されてますね」

コトタ「その間、洛陽以外の西晋の生き残りはどうしてたのです?」

なた「そこ気になりますよね!

   というわけで次回は少しだけ時間を巻き戻しして、西晋のお話です!」

コトタ「わかりました!

    それでは次回また会いましょうー!」

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