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コトタさんの教えて!三国志 八王の乱編 第3回

なた「では今回の本題の前に大事なことを」

コトタ「ほう?」

なた「賈充の没年は282年です」

コトタ「司馬攸より前に死んでる!?」

なた「ええ。

   ですから途中から賈充派と書いていたのです」

コトタ「既に亡くなっていたんですね……」

なた「賈充派は賈充亡き後も、確定している次世代の外戚権力の為に動いていたのです」

コトタ「ふむふむ」

なた「さて、では司馬炎の本来の外戚である楊駿について見ていきましょう」

 

楊駿VS賈南風

コトタ「サブタイトルから不穏なんですが!?」

なた「今は気にせず……。

   さて前回のおさらいですが、賈充派によって司馬衷の妻は賈南風となり、

   暗愚な司馬衷は廃嫡されず、司馬攸は怪しい死に方をして、

   賈充派、賈南風の(将来の)権力は確定していました」

コトタ「ですね」

なた「ただ実は賈充が亡くなってから、司馬炎は動いているのです」

コトタ「お?」

なた「司馬衷と賈南風を離縁させようとしています」

コトタ「賈充がいなくなったからってあからさまですね!?」

なた「賈南風が司馬衷の子供を身篭った妾を殺したってのが原因なんですけどね。

   しかし賈充派が"まだ若いですし、女性が嫉妬するのは普通ですから!今後治りますって!"と庇います。

   楊芷(楊駿の娘、司馬炎の皇后)が"賈充は功臣ですから"と釘を刺したので、離縁には至りませんでした。

   司馬炎としては理由はどうあれ離縁させたかったんだろうな、と思いますが……」

コトタ「楊駿も賈充派だった、と」

なた「まあ賈充派と言うと語弊はありますがね。

   以前も楊艶(楊駿の姪、司馬炎の前皇后)の言葉で賈南風が嫁ぐのが決定していますし、

   楊駿と賈充は協力関係にはあったのでしょう」

コトタ「じゃあ何故サブタイトルみたいなことが……?」

なた「順を追っていきましょう。

   まず司馬炎の死がやってきます」

コトタ「えっと290年……ですね」

なた「司馬炎は亡くなる前に、叔父である司馬亮(司馬昭の弟)と楊駿の2人に

   司馬衷を補佐してもらいたいと考えました。

   しかし楊駿は皇族の権威が強くなるのを嫌がり、司馬亮や他の皇族を地方に追いやったのです」

コトタ「いくら外戚とは言え、そんなことできるんです……?」

なた「楊芷と裏工作したみたいですね。

   昇進という名目なので断れないですしね」

コトタ「ずる賢い……」

なた「そこから色々あって司馬炎は倒れます。

   死にかけの司馬炎に対して、楊芷が"政治は全て父(楊駿)に任せるようにしましょう"と言い、

   わけもわからず司馬炎はそれに頷いたようです」

コトタ「ひどい話ですね……」

なた「司馬炎は最後まで"叔父上は来た?"と司馬亮と楊駿の2人に後事を託すつもりでいたそうですが、

   側近は楊駿の息がかかっている為、本当のことを言いませんでした。

   そのまま真実を知らず、司馬炎は亡くなり、司馬衷が2代皇帝として即位したのです」

コトタ「司馬炎ってちょっと可哀想な人ですね……」

なた「何故です?」

コトタ「だって若い頃は実の弟と後継者争いをさせられて、

    皇帝になったはいいものの、賈充や楊駿ら外戚に利用されて権力を操られて、

    自分の意思はほぼ押し通せず死んだじゃないですか」

なた「確かに100年近く続いた戦乱を平定し、天下統一した皇帝とは思えないですね」

コトタ「何か残念です……」

なた「さて楊駿は楊芷の工作によって書かれた遺詔により、

   太尉・太子太傅・都督中外諸軍事・侍中・録尚書事に任じられます」

コトタ「……?」

なた「ひとつひとつ説明すると長くなるので、簡単に言えば、

   皇帝を除けば政治と軍事どっちもトップ!ってことです」

コトタ「本来は司馬亮と分担する予定だったのに、全部楊駿に集約したんですね」

なた「ですね。

   当然の流れですが、楊駿は手に入れた権力で好き放題やります」

コトタ「司馬亮はどうしたのです?」

なた「司馬亮は楊駿の権力を恐れて、任地である許昌に行ってます」

コトタ「あらら……」

なた「楊駿は人望がなかったり、教養がなかったり、

   それが原因で色々失敗したので、諫言や助言もされたのですが、全く聞こうともしません。

   それでいてド厳しい政治をする為、朝廷も地方も楊駿を嫌ったそうです」

コトタ「これからってときにダメダメじゃないですか……」

なた「一方、賈南風ですが皇后になれたものの、楊駿が権力を振るってるのが許せませんでした」

コトタ「でも楊駿や楊芷のお陰で皇后の地位も何とかなったのでは……」

なた「楊芷は事あるごとに賈南風の行動や言動を窘めたそうです。

   賈南風はそれをとても疎ましく思っていました」

コトタ「ええ……」

なた「楊芷視点では"助けてあげた嫁"なんですけど、

   賈南風視点ではそんな事実を知らないので"口うるさい姑"でしかなかったのです」

コトタ「楊芷が庇ってくれたことを知らないんですね!?」

なた「そうみたいですね。

   賈南風は政治に間接的に参画しよう(権力を賈一族に集約させよう)としますが、

   楊駿はそれを警戒して、司馬衷が決定した内容は楊芷がチェックしてから公布するというルールまで作ったのです」

コトタ「あ、そうか。

    司馬衷のそばに賈南風がいますものね」

なた「ですね。

   で、楊駿から軽く扱われていた臣下が賈南風に近づいたのです」

コトタ「そんな流れになっちゃいますよね」

なた「賈南風はこれを機に打倒楊一族を掲げ、動き出します」

コトタ「何をしたのです……?」

なた「まず司馬亮に"私と組んで楊駿から権力を取り戻しましょう!"と提案しました」

コトタ「今のところ司馬亮って頼りないイメージですが……」

なた「司馬亮は"外戚の争いに巻き込まれるのは嫌でーす!"と答えて提案を却下してます」

コトタ「やっぱり……?」

なた「次に頼った相手が司馬瑋です」

コトタ「また知らない人が……。

    司馬昭の弟とかですか?」

なた「いえ、司馬衷の弟です」

コトタ「めちゃくちゃ皇帝に近い存在じゃないですか!!!」

なた「荊州にいたんですけどね。

   ちなみに司馬瑋は楚王で八王の1人です」

コトタ「あ、やっと主役が出てきましたか」

なた「言い忘れてますけど司馬亮も汝南王で八王の1人ですし、

   前回登場した司馬冏も斉王で八王に数えられております。

   司馬氏で王だけど八王に挙げられない人物もいますがね」

コトタ「既に出てたーーー!?」

なた「司馬瑋は提案をあっさりと受け入れて宮廷に乗り込み、

   なんやかんやで楊駿を殺害」

コトタ「そこもあっさりさせないでください」

なた「もちろんそれだけでは済まず、賈南風は楊芷は平民に落とし、

   金墉城(洛陽内の離宮)に幽閉した後、殺しています」

コトタ「一応、恩人ではあると思うんですけどね……」

なた「この楊駿殺害事件を発端として八王の乱の幕が開けたのでした」

コトタ「開始までがごちゃごちゃして長かったですね……」

なた「これからもっとごちゃごちゃするので覚悟してくださいね!

   では今回はここら辺で」

コトタ「怖い……。

    あ、次回をお楽しみに!!」

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