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コトタさんの教えて!三国志 八王の乱編 第2回

なた「では続きをやっていきましょう」

コトタ「司馬炎によって"大切"扱いされた外戚がどうなったかですね」

なた「ですです」

 

西晋の外戚

なた「まず外戚ってのは皇帝の奥さんのお父さんやお兄さんや親戚のことを言います」

コトタ「三国志で最初に思いつくのは何進ですかね」

なた「ですね。

   あとは張飛でしょうかね」

コトタ「そう言えば張飛も外戚でしたね」

なた「ではコトタさん、司馬炎の奥さんを知ってますか?」

コトタ「うーん……。

    どっちにしても有力者の娘や親戚ですよね。

    というか親戚が嫁いだことで有力者になれたと言うべきでしょうか」

なた「司馬炎の奥さんは楊皇后(楊艶)と言いまして、楊駿の姪です」

コトタ「聞いたことあるけど知らない人が出てきた……」

なた「楊駿は楊艶が皇后となったこともあり、朝廷に取り立てられ昇進したので、

   コトタさんの言う通り、外戚になったので有力者になれたタイプです」

コトタ「ふむふむ」

なた「そんな楊艶は274年に亡くなっているのですがね」

コトタ「ってことは別の皇后が立てられたんですね」

なた「ええ。

   その第一候補が胡奮という司馬懿に付き従った武将の娘である胡芳でした」

コトタ「胡奮が力をつける展開ですか」

なた「いえ。

   楊艶は胡芳が皇后になることを嫌い、

   "私が死んだら楊芷を皇后にしてください!"と司馬炎に涙ながらに懇願したのです」

コトタ「楊芷……」

なた「楊駿の娘です」

コトタ「姪の次は娘!!!」

なた「司馬炎はそれを受け入れた為、楊駿はさらに権勢を強めたのでした」

コトタ「姪でも十分でしょうけど、実の娘ならそうなりますよね」

なた「次に司馬炎の息子であり、2代目皇帝となった司馬衷ですが彼の奥さんはわかりますか?」

コトタ「それは知っています!

    賈充の娘、賈南風ですね!!」

なた「正解です。

   つまり楊駿や賈充が外戚となるのです。

   賈充は次世代の外戚ですが」

コトタ「賈充は西晋随一の功臣ですものね。

    外戚になるのも当然だったのでしょう」

なた「それがそうでもなくてですね」

コトタ「えっ!?」

なた「衛瓘って知ってますか?」

コトタ「またまた知らない人が……」

なた「艾を誅殺した張本人ですね」

コトタ「結構重要な人物じゃないですか!!!」

なた「その辺りの詳しい話はまたいずれしたいと思いますが……。

   さて衛瓘の娘はとっても美人でした。

   それに衛瓘の家のが賈充の家よりも格上だったのです」

コトタ「ほう」

なた「その為、司馬炎は息子(司馬衷)の嫁は衛瓘の娘にしたいと考えていたのです。

   ちなみに賈南風は史書に書かれるぐらいの"嫉妬心が強い醜女"でした」

コトタ「皇帝がそう考えたのなら、それで決まるんじゃないですか?」

なた「と思うでしょう?」

コトタ「まあ……単純に話は進まないですよね……」

なた「そもそも司馬炎が皇帝になれた、というより司馬昭の後継者になれたのは

   賈充らのお陰です」

コトタ「司馬攸(司馬師の養子、司馬昭の実子、司馬炎の実弟)との後継者争いですね」

なた「つまり司馬炎は賈充の意見を反発することなんてできないのですよ」

コトタ「ああ……」

なた「亡くなる前の楊艶の口添えしたりもあって(当然賈充の手回し)、

   賈南風が司馬衷の嫁と決定したのでした」

コトタ「権力争いって怖いですね……」

 

司馬攸の死

なた「ここで後々に関係する事件が起きています。

   次世代外戚争いに負けた衛瓘は"司馬攸様を後継者にしましょう!"と言い出したのです」

コトタ「なんでまた……」

なた「これは外戚争い云々より、司馬衷が暗愚だったのが理由なのですがね。

   司馬炎自身も何度か廃嫡を考えてるぐらいです」

コトタ「あれ?確か司馬攸の奥さんは賈充の娘だったのでは?」

なた「賈充の回で話しましたね。

   どっちにしろ賈充は次世代の外戚になるのは変わらないのは間違いないのですが……」

コトタ「???」

なた「司馬攸の奥さんは賈充の前妻の娘なんです。

   その前妻は李豊という人物の娘なのですがね。

   李豊は夏侯玄らの司馬師排斥計画に参加してたのもあって、処刑されてるんです」

コトタ「確か司馬攸は司馬師の養子で……ややこし過ぎません!?」

なた「ややこしいです。

   賈充としては、本妻の娘である賈南風が嫁いだ司馬衷に後継者になってもらう必要があったのでしょう」

コトタ「賈氏が西晋で栄華を誇る為ですね」

なた「ですです。

   "家"が絶対の時代ですからね」

コトタ「ふむ」

なた「話を戻しまして、衛瓘の提案は賛同も多かったのですが、結局廃嫡をしておりません」

コトタ「やっぱり賈充の力が強かった?」

なた「それが大きいでしょうね。

   司馬炎としては賈充支配からの脱却も考えたでしょうけど、

   ただ司馬衷の息子である司馬遹が有能だったのです」

コトタ「息子はダメでも孫はまともだからそのままにした、と」

なた「そんなとこでしょう。

   さらに司馬攸が283年に死んでしまいます」

コトタ「急ですね!?」

なた「司馬炎の側近(賈充派)らが

   "司馬攸様はみんなから愛されてます。

    このままだと司馬衷様が後継になってもうまくいかないですよ"的な助言をしたのです」

コトタ「それで殺された?」

なた「いえ、さすがに実の弟をそんな直接殺したなんてことはありません。

   さらに"試しに司馬攸様を中央から離してみてください。みんなに反対されますから"

   と知恵を吹き込みます」

コトタ「その通りになった?」   

なた「司馬攸を青州の都督に任じたところ、朝廷は反対だらけで大騒ぎです。

   しかし司馬炎は"これは兄弟の話だから他人がとやかく言うな!"と激怒し、

   反対した者を処罰している程です」

コトタ「ええ……」

なた「司馬攸は賈充派の工作だとわかり、怒りから病気になったのです。

   ですが司馬炎が遣いに出した医者は"司馬攸様は病気じゃないですよー"と報告します」

コトタ「医者も賈充派の息がかかってる?」

なた「どちらかというと司馬炎自身の息がかかってそうです。

   病気はひどくなる一方なのに司馬攸は無理を続けてしまい、任地への出立直後に亡くなったのです」

コトタ「あらら……」

なた「そこで出てくるのが司馬冏です」

コトタ「司馬氏が増えた……!」

なた「司馬冏は司馬攸の息子ですね。つまり賈充の孫でもありますが……。

   "父は医者がウソの報告をしてたから死んだのです!医者を処刑してください!"と司馬炎に訴えかけたのです」

コトタ「その通りですもんね」

なた「司馬炎はそれを聞いて、すぐに医者を処刑しています」

コトタ「なんかきな臭い……?」

なた「ですよねー。

   さすがの司馬炎も弟の死に慟哭したとありますが、本心はわかりません。

   だって元々は後継者争いをした相手ですもの」

コトタ「曹丕は曹植を不遇にし続けてましたね……」

なた「賈充派はこれで安泰となりました。

   司馬攸派だった面々は左遷されたりと不遇が続きます」

コトタ「賈充の権力強過ぎじゃないですか!?」

なた「司馬炎もそう思ってたでしょうねww

   で、ある日の宴会で衛瓘が酔った勢いで司馬炎にとんでもないことをぶちまけています。

   玉座を撫でながら"この座は惜しゅうものでございますぅ"と」

コトタ「どういう意味です?」

なた「要するに"司馬衷じゃ後継者には向かないから廃嫡しろ"ってことですね」

コトタ「まだ諦めてないんですね……」

なた「司馬炎は衛瓘の真意を読み取りつつも"衛瓘お前酔い過ぎだぞー"と返すだけで、

   その場は終わったのです」

コトタ「ほっ」

なた「しかし賈南風はその会話を聞いて"このジジイ許さねぇ"と恨んだそうです」

コトタ「廃嫡されれば賈南風は皇后になれませんものね……」

なた「これが後々に繋がってくるので覚えといてください。

   では次回は本来の外戚である楊駿のお話です」

コトタ「はーい!

    それでは次回また会いましょう!!」

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