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コトタさんの教えて!三国志 マイナー武将編 第9回 孟達

基本データ

名前 孟達(子敬→子度)

生没 ?〜228

出身 司隷扶風郡

正史 本人の伝は無し

親類 著名な者はおらず

 

なた「今回は孟達です」

コトタ「劉備の叔父と字が同じだったので、子度に変えたんでしたっけ」

なた「ですね。

   劉子敬が蜀の地にいたかはわかりませんがね。

   劉備にとってはめんどくさいおじさんだったでしょうし」

コトタ「劉備の"俺はビッグになるぜ!"発言を窘めてたんでしたね」

なた「そんな若い頃の劉備を支援してくれてた劉元起(父の従弟)にすら、

   皇帝になってからもお返しをしたという記録すら残っていません」

コトタ「割と親類に厳しい……?」

なた「でしょうね。

   年長の親族に若い頃の恩返しをした皇帝、なんて儒教的にも完璧なエピソードで、

   美談にもなるわけですから、正史には残らなくとも野史なりで記録されてたでしょうし。

   それがないってことはそういうことかと」

コトタ「劉備(の親族)に気遣った孟達が少し可哀想な感じもしますが……」

なた「あ、今回孟達が主役でしたね」

コトタ「忘れないでください!!!!」

なた「コトタさん、孟達ってどんな人物だと思います?」

コトタ「久しぶりにそれ聞かれた気がします。

    んー、節操がない裏切り者でしょうか。あまり重要な人物には感じません」

なた「裏切り者ってとこは間違ってないですね。

   ただ重要じゃないってのは間違っています」

コトタ「ほほう」

なた「まず孟達は劉備によって劉封の目付け役、教育係みたいなポジションについています」

コトタ「劉備の養子でしたっけ」

なた「ですね。

   (姻族含む)一族の武将というのは君主にとって一番信頼ができるわけですし、

   将来的には劉禅の兄として蜀の地を守る将軍に育てたかったでしょう」

コトタ「そんな劉封を孟達に任せた、と」

なた「ええ。

   張飛を差し置いて魏延に漢中を任せたように、

   劉備は実力がある人間を見抜いて配置するのは得意だったでしょうしね」

コトタ「つまり劉備には認められていたってことですね」

なた「劉備に認められているとわかる根拠がもうひとつ。

   孟達が劉封と共に任せられていた土地が上庸郡ってところなんですがね」

コトタ「どういう場所なんですか?」

なた「当時の地図を見てもらえばわかると思いますが、

   益州と荊州と司隷が交わる場所にあるんです」

コトタ「かなり大事な場所じゃないですか!!!」

なた「その通り!

   当時は荊州に関羽がいましたので呉は関係ありませんでしたが、

   魏(後漢)とは隣り合ってる場所で、攻防共に重要な拠点なのです」

コトタ「魏延ぐらいに期待されていた……?」

なた「でしょう。

   しかし残念ながら関羽が死んだ責任を追及されることを恐れて魏へ亡命しています」

コトタ「本当に残念……ですね」

なた「そして魏では不遇……となるはずが、

   なんと曹丕の寵愛も受けるようになっています」

コトタ「世渡り上手でもあるんですかね」

なた「風貌がとても立派で、振る舞いも優雅だったそうですよ。

   それに才覚も魏まで伝わってたんでしょうかね。

   亡命時に頼った相手が夏侯尚だったのもあったので、それで曹丕が信頼したのかも知れませんが」

コトタ「これで孟達は劉備と曹丕に認められた武将ってことですね」

なた「夏侯尚や徐晃と共に劉封がいる上庸を攻め落とし、

   そのまま上庸と近隣郡を併合して新設された新城郡の太守まで任せられています」

コトタ「益州と荊州と司隷が交わる場所……」

なた「そう、孟達は劉備からも曹丕からも重要拠点を任せられたのです」

コトタ「とっても重要な人物だというのがよくわかりました」

なた「いずれ別コーナーで語るかも知れませんが、戦国時代の名将である楽毅に比する将軍

   との評価も受けています」

コトタ「SLG三国志の古武将でもかなりの能力値がある楽毅ですね!」

なた「その流れで魏に残っていれば、蜀の滅亡は早まったかもしれません。

   ですが、自分を寵愛してくれた曹丕や味方だった夏侯尚が死んでしまったことで、

   孟達は立場が危ういと感じ始めました」

コトタ「まさか……」

なた「蜀へ戻ろうと考えたのです。

   まあ諸葛亮と李厳が"戻っておいでよ"と手紙を出してるんですがね。

   孟達が新城郡と共に蜀に帰ってくれば、北伐はかなり楽になったでしょうし」

コトタ「あれ?でも何で立場が危うくなるんです?

    先帝の寵愛を受けていたわけでしょう?」

なた「先程話してませんが、実際孟達が魏に寝返った際、

   みんながみんな歓迎してくれていたわけじゃなかったのです。

   "孟達は信用できないから重用しないように!"という忠言があったぐらいですし」

コトタ「あー……」

なた「そんな反孟達派のひとりが司馬懿でした」

コトタ「司馬懿に睨まれてたら危うくも感じますね……」

なた「諸葛亮は孟達が戻ってくるのを待っていたのですが、

   なかなかはっきりとした返事が来ませんでした。

   その為、孟達に早い決断をさせようと、内通していることを魏に漏らしたのです」

コトタ「えー!?

    何ではっきり返事できなかったんです?」

なた「劉封は上庸で孟達に負けた後、結局関羽の死を理由に処刑されてるんです」

コトタ「自分も同じように処刑されるのでは?と不安だったってことですか……」

なた「恐らく。

   話を戻しますが、もちろん曹叡の元にも孟達裏切りの報が届いていました。

   最初は父が寵愛していた将軍ですし、それを信じませんでしたがね」

コトタ「誰だって状況考えれば敵の計略だって思いますよね」

なた「ですが司馬懿は"孟達は裏切る"と判断し策を巡らせ、孟達の叛乱をあえて誘発させます」

コトタ「信じてあげてれば裏切らなかったかもなのに……」

なた「既に2度(劉璋と劉備を)裏切ってますからどうでしょうね?

   そして本来1ヶ月かかる行軍を8日で完遂させ、司馬懿が孟達を破っています」

コトタ「強い……」

なた「さて、そんな孟達も魏蜀共に立場でも戦略上でも重要な人物であったにも関わらず、

   正史に立伝されておりません」

コトタ「せめて40巻の劉彭廖李劉魏楊伝に載ってても良さそうなんですがねぇ」

なた「そこには劉封も載ってますしね。

   では本日はここら辺で」

コトタ「はーい。

    次回の教えて!三国志をお楽しみに!!」

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