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コトタさんの教えて!三国志 無双武将編 第58回 荀

基本データ

名前 荀(文若)

生没 163〜212

出身 豫州潁川郡

正史 10巻 荀荀攸賈詡伝

親類 荀爽(叔父)、荀攸(甥)、荀(子)、荀(子)

 

コトタ「かなりの大物が来ましたね」

なた「一般的には曹操の軍師軍団の筆頭とされている存在です」

コトタ「ですね」

なた「ただ荀は軍師というより内政官としての活躍が大半です。

   曹操一番の戦場とも言える官渡決戦においても

   前線にはおらず、後方で曹操を支援しています」

コトタ「でも曹操本人からは"我が子房(張良)"と評価されていたんですよね?」

なた「仰る通りです。

   張良は漢の創始者である高祖・劉邦の軍師で、

   太公望と並ぶ中国史上最高の軍師と名高い人物ですね」

コトタ「ええ。

    なので軍師なのかな、と思ってました」

なた「だいたいの創作でも荀はそういう扱いですしね。

   仕えた当初は常に曹操の側にいて軍師らしい仕事もしてたのでしょうけど、

   徐州侵攻の時点で既に従軍しておらず、留守を任せられています」

コトタ「なんで有能な人物をお留守番させるんですか……?」

なた「コトタさん、逆です。

   有能だから留守番なんです」

コトタ「あ、確かに……」

なた「曹操自身が出陣してますからね。

   自分の代わりができる者を本拠地に残すのは当然です。

   というか荀が留守番していたお陰で、曹操軍は滅ばないで済んだとも言えます」

コトタ「えーと呂布を担いだ張邈と陳宮によるクーデターでしたっけ?」

なた「ですです。

   この時荀は張邈が裏切ったとすぐに察し、

   ほとんどが張邈側に付いていた状況で、兵力を集め、

   遊軍として動いていた夏侯惇を呼び戻して対処しています」

コトタ「荀がいなきゃ曹操は帰る場所がなくなって滅びていた……?」

なた「その可能性が非常に高いです。

   それぐらい大変な状況を覆したのが荀ってわけです」

コトタ「ほええ」

なた「その後も荀は曹操を支え、数多くの献策をしています。

   曹操の人生における大きな選択はほとんど荀の意見を採用した結果、

   成功しています」

コトタ「例えばどんなのがあるのです?」

なた「献帝を奉戴するのを薦めたのが荀です。

   これにより曹操は官軍のトップという大義を得ました」

コトタ「わかりやすい例ですね……」

なた「先程少し触れた官渡決戦では、曹操が"もう負けそうだよぉ;;"と弱音を吐きましたが、

   "撤退なんてダメです!もうちょっと頑張ってください!"と叱咤しています」

コトタ「結果として官渡に勝利したのは曹操……!」

なた「荊州の劉表征伐においても作戦立案を任され、

   曹操はその通りに実行しております」

コトタ「荊州は降伏しましたね……」

なた「献帝奉戴、官渡での勝利、荊州降伏と

   曹操が当時の中華における最大勢力になったイベント全てが、

   荀によるものだったのです」

コトタ「なんか他の人物とはレベルが違いますね?」

なた「個人的には君主系の人物を除けば、最高の人士だったと思っております。

   個人的というか一般的にもでしょうけどね」

コトタ「私もそう思いました」

なた「ただ荀はその最期に問題がありましてね」

コトタ「曹操の魏公就任に反対して、曹操と仲違い状態になってからの自殺でしたっけ」

なた「かなり端折ってますが、そんな感じですね。

   こればかりは曹操好きだとか、アンチ曹操だとか、

   そういう次元で話すような内容ではないんですよね」

コトタ「たくさん議論されてますものね」

なた「私の見解では、荀の死に曹操は関与していない、としています。

   根拠は、曹操が魏公に就任したのが荀の死んだ翌年だからです」

コトタ「……?」

なた「もし曹操が荀に対して敵意や殺意があって、死なせたとするなら、

   翌年を待たずに魏公になっていたでしょう?」

コトタ「なるほど。

    荀の死を悼んでいたってことですね」

なた「恐らく、ですがね。

   そもそも自殺したって話は後漢書の記述であって、

   正史三国志では病死となっています」

コトタ「後漢書のが成立は後でしたか」

なた「後漢書成立時期は演義はまだまだ誕生していませんが、

   民間伝承や講談において、曹操は既に悪役ポジションを確立していたでしょうし、

   その影響も大きかったのではないかな、と思ってます」

コトタ「この件、正解は永遠に出ないんでしょうね」

なた「でしょうね。

   歴史はだから面白いのかも知れません。

   過去の出来事なのに答えが無数にあるのですから」

コトタ「深い……」

なた「では今回はここら辺で」

コトタ「はい!

    次回の教えて!三国志をお楽しみに!」

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