コトタさんの教えて!三国志 無双武将編 第34回 蔡文姫

基本データ

名前 蔡琰(昭姫※避諱によって文姫とされる)

生没 177〜?

出身 兗州陳留郡

正史 後漢書84巻 列女伝

親類 蔡邕(父)、衛仲道(元夫)、劉豹(元夫)、董祀(夫)、羊祜(甥)

 

なた「今回は蔡琰です」

コトタ「無双だと蔡文姫ですね」

なた「ええ。

   文姫は字ですね。

   まあ本来は昭姫だそうですので、蔡昭姫が正しいかもしれません」

コトタ「避諱ですか」

なた「司馬昭を憚ったと思われます。

   まあそこらは置いといて本題へ」

コトタ「お願いします」

なた「蔡琰は高名な学者であり、書家・歴史家である蔡邕の娘です。

   蔡邕については詳しく話しませんが、

   董卓の死後に王允にイチャモンをつけられて投獄され獄死しています」

コトタ「あら……」

なた「蔡琰はかなりの才女でして、音律に精通していたそうです。

   6歳の頃に蔡邕がお琴を弾いていると弦が切れてしまいました。

   すると蔡琰は"第2弦が切れましたね"と言います。

   蔡邕は"いやいやまぐれだろう"と疑い、試しに別の弦を切ってみたところ、

   "第4弦ですね"と正しく答えたのでした」

コトタ「そんなエピソードがあったから無双では琴が武器なんですね」

なた「でしょうね。

   さて、蔡琰は衛仲道という人と結婚しましたが、

   早くに夫は亡くなり未亡人となってしまい、実家に戻っていました。

   しかし蔡邕の死後、兵乱の中で南匈奴の騎兵に拉致されてしまい、

   左賢王劉豹の妾となり2人の子を産んでいます」

コトタ「劉豹って劉淵のお父さんですか?」

なた「よくご存知で。

   劉淵は漢(五胡十六国)の建国者ですね。

   蔡琰の産んだ子は劉淵の異母兄ということにはなるのですが、

   親子以上に歳が離れているので、兄弟付き合いがあったかも不明ですね」

コトタ「ほほう……」

なた「その後、蔡邕と交友のあった曹操が、

   蔡邕に後継がいないことを惜しみ、

   匈奴と取引をして蔡琰は帰国させてもらっています」

コトタ「ふむふむ」

なた「曹操は蔡琰を同郷だった董祀に嫁がせています。

   衛仲道、劉豹に続く3人目の夫です」

コトタ「かなり波乱の人生ですね」

なた「さらに波乱は続き、董祀が死罪相当の判決が下るようなことをやらかしてしまいました。

   何をしたかはわかりませんが、蔡琰は曹操の元に夫の命乞いへ向かいます」

コトタ「あら……」

なた「その時、曹操の側には名士や遠方の使者が集っていたそうです。

   "亡き蔡伯喈(蔡邕)殿のご息女がそこまで来ているそうだから、皆のお目にかけたいと思う"

   と曹操は言い、蔡琰と面会します。

   蔡琰は裸足で髪の毛も整えておらず、ただ曹操の前で頭を叩きつけて夫の命乞いをしたのでした」

コトタ「可哀想……」

なた「その声はとても清らかで、言葉ひとつひとつから悲しみが伝わったので、

   曹操含めその場にいた皆が襟を正したと言われています」

コトタ「それでどうなったのです?」

なた「"とても可哀想に思うが、もう既に死罪判決の書状を送ってしまったのだ"と曹操は応えます。

   すると蔡琰は叫びました。

   "曹将軍はたくさんの馬とたくさんの部下をお持ちです!

    どうして1組の人馬を惜しんで、死を目の前にした命を救ってくださらないのでしょうか!?"と」

コトタ「ああ……」

なた「曹操は蔡琰の言葉に感動し、すぐに董祀を許す書状を送ったそうです」

コトタ「よかった……」

なた「寒い季節だったので蔡琰に頭巾と靴下を与えた曹操は訊ねます」

コトタ「曹操は優しいのかひどいのかよくわかりませんね……」

なた「"夫人(蔡琰)のご実家には古い書物がかなりあったそうですが、まだ中身は覚えているかな?"と」

コトタ「そんな本の中身なんて覚えてるわけないじゃないですか」

なた「まあ普通はそうですよね。

   しかし蔡琰はこう応えます。

   "亡き父より4000程の書物を貰い受けましたが、

    騒乱によってほとんど残っておらず、

    今暗誦できるのは僅か400ばかりでございます"と」

コトタ「えっ!?」

なた「曹操は"では役人を送って書き写させましょう"と言いますが、

   蔡琰は"女から男に伝えて書くのは礼儀に反しているので、紙と筆を頂けるなら私が書き写します"と返事」

コトタ「まさか……」

なた「はい。

   コトタさんの想像通りです。

   蔡琰は400の書物を全て記憶から書き写し、曹操に送ったのでした」

コトタ「才女過ぎる……」

なた「そして送られてきた書物の写しは1文字も間違いはなかったそうです」

コトタ「えーーーー!」

なた「その後の蔡琰は特に何をしたかはわかりません。

   恐らく蔡琰の妹ですが、魏の上党太守である羊衜に嫁いでいます。

   息子は羊祜です」

コトタ「ビッグネーム!!!」

なた「蔡邕の娘であり、曹操と関係が深く、

   羊祜の伯母で、劉淵とも少しですが繋がりがある。

   蔡琰は後漢から魏、西晋、そして五胡十六国のビッグネームと絡みがある才女というわけです」

コトタ「想像以上でした」

なた「王異とは違って戦場に出たりはしてませんが、

   ぽっと出の名前だけの女性ではない、ということはわかって頂けたかと思います」

コトタ「ですね!」

なた「では今回はここら辺でおしまいです」

コトタ「次回の教えて!三国志をお楽しみに!」

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